ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ‐ヴァンフォーレ甲府

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昨日は、等々力陸上競技場ヴァンフォーレ甲府戦を観戦。1stステージは1/3を終えて、今節(第7節)から第11節まで中3日で4試合が開催予定です。仙台戦の起死回生の逆転勝利で息を吹き返した川崎ですが、大切なのは流れを継続していくこと。4連戦の大切な初戦という点も含めて、重要な試合という思いを胸に試合に臨みました。

 


試合は、甲府さんの堅い守備の前に得点を奪うのに大変苦労しましたが、こじ開けた川崎が勝利を挙げることができました。観戦を通じて感じたことは以下の通りです。

 1.試合を重ねることで磨かれてきた「強度」と「精度」

開幕から1か月半が経過し、この日の試合で公式戦は10試合目となりました。風間監督擁する川崎のサッカーは外部にも浸透してきた影響もあり、昨季以上に各クラブが徹底した川崎対策を施すようになってきました。多種多様なアプローチを見ていて、自分も毎試合「今日はこう来たか」と相手クラブの視点で試合を見る傾向が強くなってきたことです。

〇 対策されることに慣れる

自分のような観戦者でさえ上記のように見るくらいなので、インタビュー等を拝見すると、川崎の選手たちも対策を講じられることが当たり前に感じているように思えます。「慣れ」という言葉は、緩慢さやミスの原因として引き合いに出されることが多いと思いますが、こうした場合は、心の準備ないし落ち着きをイレブンにもたらしているのだと思いました。

〇 経験がチームを成長させる

神戸・新潟のような激しいプレス、山形・仙台のような堅牢な人垣のブロック、そして浦和戦のようなアプローチの変化を経験してきました。主導権を握られて相手に押し込まれても耐えきって反転攻勢を狙う、攻撃が上手くいかなければギアを上げて崩し切る、経験を重ねるごとに開幕当初よりも表現するサッカーの強度と精度が高まってきたと思います。今回の甲府戦も難しいゲームになりましたが、勝利を手繰り寄せたのは積み重ねがあったからだと思います。

 2.技術は裏切らない

前半から堅牢なブロックを敷く甲府の守備を川崎がいかに攻略するか、という展開。自分たちのリズムで攻撃を展開し、ブロックの外からミドルシュートを果敢に狙うなど、ゴールを奪う意欲は高く感じましたが、明確な決定機が作れていなかったのも事実。スコアレスで焦れた展開で試合が進めば、相手のカウンターにも怖さが出てくるだけに、何としても前半のうちに先制点が欲しいと感じていました。潰れながらも、混戦から決めた先制点は非常に意味のあるゴールだったと思います。

〇 教科書レベルの「止めて、蹴る」

 先制点は、縦パスを受けた悠様が潰されたところを出し手の憲剛が通したパスを、嘉人さんが奪ったゴールです。直前に出した縦パスもそうですが、嘉人さんに出した憲剛のパスは勢いのあるボールです。ボールを「ピタッ」と擬音語で言いたくなるくらい、完璧にボールの勢いを止めて、シュートを打った嘉人さん。局面の中で見せた教科書レベルの技術の高さは、改めてダイジェストで見て唸らされました。先日の新潟戦の2ゴールもそうですが、局面の場面で高い技術力を発揮できる嘉人さんは本当に凄いと思いますし、風間監督が普段から述べられている「技術は決して裏切らない」という言葉の意味を実感させられました。

 3.徐々に進行する戦力増強

仙台戦の感想でも書きましたが、より多くの選手がチームの勝利に絡むようになれば強いチームになると思います。甲府戦の終盤、ピッチに立っていた選手のうち今季加入した選手は4人(車屋、角田、エウシーニョ、船山)。昨季から選手が変わっても、途中交代で選手が入っても、攻撃のリズムを落とすことなく、むしろ上げていける状態に仕上がってきています。車屋選手は昨季から強化指定選手として参加しているとはいえ当たり前のように左サイドでプレイしており、角田選手も試合を重ねるごとにパスやビルドアップの精度が高まっていることに驚かされます。エウシーニョも独特のリズムのボール運びだけでなく、細かいボール交換のリズムに入れるのは非常に大きいと思います。

〇 船山選手の適応力、「大久保一家」2トップへの期待

そして、前節の仙台戦でも攻撃のアクセント役になった船山選手は、試合の途中から入ってきてもリズムに乗り遅れることなく、試合に入っていける選手です。また、船山選手の良さは、相手最終ラインとの徹底した駆け引き、ファーストディフェンスの的確な寄せ、縦に仕掛ける動き出しの速さなど、試合を重ねるごとに髄所に良さを出しています。このような特徴は、船山選手がエースとして活躍した松本山雅のサッカーで培ってきた部分ではないかと思います。今まで磨いてきた武器と今のクラブへの適応を上手く両立させている印象です

船山選手と嘉人さんの2トップは、試合の中で何度か組まれてきたコンビですが、この試合を見て、改めてスタメンで見たいと思わされました。試合を見ていると、嘉人さんとの共通理解が急速に進んでおり、嘉人さんも非常に相性の良いパートナーなのではないかと思われます。悠様・レナトを含めて、嘉人さんと目線が揃った選手が増えてくれば、嘉人さんのチャンスメイカーの側面も生きてくると思います。攻撃の創造性、破壊力が一段と増す可能性に期待したいところです。

 4.笑顔はキュート、守備はタイトな大島僚太

中村憲剛大島僚太のダブルボランチも1周年を迎えました。最初は魅力的な攻撃ユニットでありながらも「誰が守備するんだ」というリスクが不安視されました。しかし、今季の試合を見ているうちに、1つのことに気付かされました。大島君の守備です。大島選手の魅力といえば、適切なポジション取り、広い視野で送るパスセンス、時折見せる鋭いドリブル、そしてキュートな笑顔に秘められた暗黒面(個人の感想です)ですが、今季は守備での貢献度の高さも見逃せません。この日も混戦からのこぼれ球を相手に奪われ、ボールを運ばれる場面が何度かありましたが、最初に寄せてくる選手は大島君です。奪われた後の切り替え、ボール保持者の寄せでも彼が顔を出す場面が非常に多く、局面の引き締め役として大きく貢献していると思います。以前、大島僚太=和製レオ・シルバ説を提唱した筆者ですが、既に高いレベルで実現しているのではないかと(笑)大島君の守備に今後も注目したいと思います。

 

以上です。今季初のリーグ戦連勝、さらに連戦の初戦で良い入り方ができたのは次にも繋がると思います。今後も強敵が控えていますが、頂点を目指して、この試練を乗り越えてほしいです。少しでもサポートできるように、自分も一生懸命応援したいと思います。

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