ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・ベガルタ仙台‐川崎フロンターレ

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本日は、ユアテックスタジアム仙台ベガルタ仙台戦を観戦。仙台と言えば、新潟と同様に互いにホーム(アウェイ)で相性が良いクラブ。当方も、過去4度遠征経験の中で勝利を見届けたのは、一昨年のナビスコカップ準々決勝の1試合のみ。ドローの割合が多いとはいえ、リーグ戦では勝ちを拾えない鬼門でもある。ステージ優勝の優勝戦線に踏みとどまるためにも、負けられない試合でした

試合は、まさに「死闘」と形容したくなるような激しい試合展開となりましたが、何とか勝ち越し点を奪うことができた川崎が勝利を挙げることができました。観戦を通じて感じたことは以下の通りです。

 1.ウィルソンという個人戦術に脅かされた前半

川崎を指揮する風間監督は、評論家時代から個の能力の重要性を繰り返し述べていました。風間監督は著書の中でチームの中で武器となる個の能力のことを「個人戦術」と表現していました。本日対戦した仙台は、ピッチ上のイレブン全員がハードワークを惜しまずに戦う素晴らしいチームでありましたが、個人戦術としてのウィルソン選手の存在は非常に大きいと思います。

〇 ウィルソンが攻撃に絡み続ける理由

前半は、川崎陣内に攻め込んでくる仙台側の動きを見ておりましたが、特に気になったのがウィルソン選手の動きやポジショニングでした。序盤は角田選手とのバチバチとしたぶつかり合いを見せておりましたが、時間が進むごとに角田から離れて車屋のサイドでポストプレイをしたり、あるいは他の選手のポストプレイをした後のセカンドボールを競るための位置に入ったり、位置取りや役割を変化させながら前線に位置していました。前半は、ウィルソンの柔軟な攻撃アプローチに手を焼いたと思います。

〇 「堅守賢攻」はウィルソンに生かされることか?

先日放送されたNHKの『Jリーグタイム』でMCの宮崎さんが仙台を取り上げた時に、今年の仙台の特徴である「堅守賢攻」を紹介していました。従来、カウンターによる速攻+ウィルソンの単騎突破に依存していた攻撃面を、ウィルソンを生かしながら人数をかけて連動していく遅攻の要素を取り入れたと紹介していました。

継続的に見ていないので、あくまで仮説ですが、上記のようにウィルソンが柔軟なアプローチを行っているのは、チーム全体の取組も影響しているのかもしれません。元々、ウィルソン自身が能力のある選手なのは寸分も疑いの無い事実ですが、戦い方に幅が生まれたことで脅威が一層増したような気がしました。

 2.フロンターレのギアチェンジ

川崎陣内に打ち込まれるロングボールという長距離砲、鋭いカウンターの速射砲、そしてウィルソンの巧みな個人戦術の脅威を受けて前半に失点を喫した川崎。しかし、後半の川崎はギアチェンジで攻勢を強め、仙台のガードを打ち破って得点を挙げたことで、オープンな殴り合いに移行することに成功しました。

〇 「スイッチャー」となった船山選手

大きなポイントとなったのは、後半の船山選手の投入です。武岡選手に変わって船山選手が入ることで、最前線は嘉人さんと船山選手の2トップ、右サイドハーフの位置に森谷、右サイドバックにエウシーニョが入りました。選手交代に伴う配置変更によって中途半端だった選手間の距離が改善され、各選手の動きが前半以上に活性化されたと思います。

また、仙台側の守備の重心が後ろに下がったことも影響して中央のスペースに余裕が生まれ、前半は見せられなかった中央突破が仕掛けられるようになりました。ゴールにはなりませんでしたが、船山選手のシュートが攻撃のスイッチを入れてくれたと思います。

先日の清水戦もそうでしたが、船山選手は途中交代でもチームのリズムに難なく入り、前線を活性化する役割を果たしてくれます。ジョーカーというよりは、川崎の攻撃を組み替え、スイッチを入れる「スイッチャー」だったのではないでしょうか。

〇 悠の技ありゴールが生んだカオス

船山選手の投入で攻撃を活性化させた川崎は、仙台ゴールに幾度となく攻めてきます。しかし、ゴールをこじ開けることができませんでした。仙台イレブンも体を張った守備でゴール前を死守する姿勢を見せており、押し込む川崎もあと一歩という状態。だからこそ、悠様があの時間で決めた同点ゴールは非常に大きかったと思います。状況だけでなく技術面でも非常に素晴らしいゴールだったと思います。

ゴールの場面を振り返ると、悠様はボールを受けてからシュートに至る流れの中で一瞬のタメが生まれたのではないかと思います。おそらくシュートまでの流れもイメージしていたと思います。また、仙台のGK・六反選手は、この日もノッていて、ボールへの反応も良かったです。だからこそ、悠が作ったタメが効いたと思います。そして、ココから両クラブの点の奪い合いとなるカオスが生まれました。

 

以上です。正直。心臓に良くない試合ですし、今回の勝敗も紙一重だったと思います。健勇選手、船山選手も徐々にチームの中で活躍を見せるようになり、より多くのメンバーがチームの一員として戦うことが出来るようになれば、強いチームになると思います。その意味でも、先発したメンバーに船山選手、そして復帰した悠様、そしてストッパーとして登場したイガの皆の力で勝ちとった勝利は大きな1勝だと思います。

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