ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・モンテディオ山形‐川崎フロンターレ

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■ 走力戦に屈する

昨日はNDソフトスタジアム山形でアウェイ山形戦を観戦。NDソフトスタジアム山形は足を運べていなかったスタジアムということで、日曜夜の日程ながら半休取得しての参戦。

個人的には覚悟の遠征ではありましたが、試合結果は完封負けと厳しい結果に終わりました。応援を通じて感じたことは以下の通りです。

 1.山形の「勇気」と「徹底」

石崎信弘監督率いる山形の試合は、昨季のJ1昇格プレーオフ決勝戦で観戦したほか、その前後のリーグ戦や天皇杯も映像でチェックしていました。4年ぶりのJ1所属クラブとして迎えた今季は、山岸選手の完全移籍を含めた主力残留に加えて、何人か選手を補強して臨んでおります。ただし、この日の試合に至るまでに怪我人が何人か出ており、苦しい台所事情であったと思います。

〇「前」から潰すか?「後ろ」を固めるか?

戦前に山形のアプローチとして予想したのが、①石崎監督の代名詞ともいえる前線からの激しいプレッシングを仕掛ける、②自陣ゴール前を固めて川崎の攻撃を耐え凌ぐ、の2点でした。ただし、ディフェンスの選手の怪我人も多く、リーグ戦では2試合無得点という状況も影響してか、この試合は前半最初からプレスを仕掛ける場面が見られました。

〇 地ならしの前に・・・

今季初出場となった山本真希選手は、試合後のインタビューで「受けてしまった」胸のコメントをされていましたが、序盤の15分で大きく流れを山形側に引き寄せられることになったと思います。相手のプレスを無効化し、自分たちのリズムを維持できれば、この日の山形の入り方を踏まえると、ゴールを奪うチャンスはあったと思います。

しかし、相手のプレスをもろに受けてしまい、失点になりませんでしたが、攻撃の形を作られたことで主導権を奪われてしまいました。また、マサキと憲剛の組合せは今年初だっただけに、最初の時間帯で攻守の地ならしをしておきたかったところですが、その前に乱されてしまったという印象もあります。

〇 山形にとっては大きな1勝

序盤に手応えを掴んだ山形は、90分間、サボることなくプレッシングと攻守の切り替えを徹底していました。そして、得点をもぎ取り、川崎を攻守に圧倒して初勝利を挙げることに成功しました。この結果は、石崎監督の決断と山形イレブンの献身がもたらしたものであり、山形にとってもJ1昇格に至る怒涛の勢いを取り戻す契機になったと思います。

 2.ユニットの機能不全と悪循環

ナビスコ杯の名古屋戦では谷口選手をアンカーに起用したアプローチを採用しましたが、90分間継続することができず逆転負け。その結果を受けて、この日の試合では3バックの構成を戻したうえで、ボランチ山本真希選手を起用してきました。

しかし、上記のとおり、山形イレブンのプレスをもろに受けたことで、心臓部のボランチコンビが押し込まれえしまい、リズムを作ることができませんでした。また、両ウイングに対しては人数をかけて押し込むといった対応を見せるなど、サイド突破にも入念な対応を行われてきました。各ユニットの機能不全が発生してしまいました。

その結果、前線の選手との距離間が開き、受け手である嘉人さんが中盤まで降りる対応を見せましたが、そうすると最前線の人数不足になり、突破を図るにも山形守備陣の人垣に屈ししてしまう。そして、ボールは山形側に渡ってしまう。こうした悪循環が前半から見られており、後半は山形の時間帯がさらに長くなりました。山形側の精度に助けられた部分はありましたが、後半に関しては複数失点やむなしの展開だったと思います。

〇「対策の対策」はある

風間監督就任以降、この日の試合のような展開は何度も見てきました。昨年後半もボランチコンビの不調とともに苦しめられてきました。無策なのか、といえば無策ではないのです。例えば、前線からのプレス対策は、人数をかけて適切な距離間で繋ぐことで無効化してきましたし、マリノス・神戸戦で見せたような西部選手からのミドルレンジのキックで通す試みも行われています。しかし、この日の試合は、各選手があるべき立ち位置でプレイできず、それを修正できずに90分間が過ぎてしまいました。この点は、出来てきたことが積み重ねってきただけに残念に感じました。

〇 目が揃ってきたからこそ、見直しはできる

以上のように、負けるべきして負けてしまった試合。見直すべき部分は多くあります。風間監督は今年のインタビューを通じて「目が揃ってきた」という言葉を多用されてします。選手たちが試合を見る視点が一致してきたからこそ、共有できる部分も多いということで、監督自身も選手間のミーティングの開催についても好意的に捉えていました。こういう事態が起こった今だからこそ、選手間での認識を深めてほしいところです。

また、風間監督においても、シーズン序盤の見極めが難しい部分で良い形を見いだせず連敗を喫してしまいました。自分たちの良さを最大限に引き出す選手起用とタスクマネジメントに取組んでいただきたいと思います。

 

以上です。繰り返しになりますが、チームは追求することは勝利であり、勝利のための得点であり、得点を奪うためのプレイの「質」だと思います。プレスやフィジカルに押し込まれて技術を引き出せないのでは意味がありません。少なくとも、川崎には「技術」を「強さ」に還元できる下地はありますし、あらゆる状況下でも力を発揮できるように頑張ってほしいところです。この敗戦を無駄にしてほしくないです。

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