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ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ‐ヴィッセル神戸

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■ 新しい季節へ君と

昨日は、等々力陸上競技場でのホーム開幕戦を観戦。前節(3月7日)の横浜FM戦は、3得点を奪い、上々の滑り出しとなった川崎。しかし、今節の対戦相手でもあるヴィッセル神戸は、天敵とも言えるネルシーニョ監督が指揮を執っており、難しい展開になると予想しておりました。

試合は、2度のリードを追い付きながらも勝ち越すことができず、引き分け。観戦を通じて感じたことは以下の通りです。

1. ネルシーニョ・レッスン2015

ネルシーニョ監督は、対戦相手の分析では「相手の長所を消し、ニュートラルな状態にもっていく」という考えを根幹に置いているとのことです。ただし、今回の対戦は開幕間もない時期ということもあり、神戸の指揮が2試合目であるという点を含めて、(例えば、昨夏の日立台で見せたような)完璧な対策を講じてくることは難しいと感じていました。

実際、対策の徹底ぶりは感じたものの、遂行度は監督が満足のいく内容ではなかったかと思います。試合を見ていて、ネルシーニョ監督の対策の意図を感じた部分は次の3点。

(1)ボランチ潰し

風間フロンターレの心臓部ともいえる憲剛・大島のダブルボランチに対する対策は、今回も徹底されておりました。フェフージン選手、森岡選手が中心となって圧力をかけ、ショートカウンターで中央突破を図る形は試合中に何度も見られました。

特にフェフージン選手は、コンタクトプレイを含めて「激しさ」が目立ち、序盤からファウルになるプレイも多かったのですが、結果的に川崎もリズムを掴めなかったと思います。球際の強さ・攻守の切り替えを大切にするネルシーニョ監督の色が良く出ていた部分だと思います。

(2)ビルドアップを狙う

上記の対策に加えて、最終ラインからのビルドアップも高い意識で臨まれたと思います。このタスクを最前線で任されていたのが渡邊千真選手だと思います。例えば、川崎のCBに入る角田選手がボールを前線まで運ぶ際には厳しくチェックする場面が何度かあり、1度は奪うことに成功し、カウンターを仕掛けることに成功しました。

また、最終ラインの前に前線の選手を張り付けることで西部選手に「大きく蹴らせる」という選択を促す等、後方から丁寧に繋がせないためのアプローチは何度か見られました。

<ネル子は成長中につき>

ただし、上記の対策は、個々の選手の遂行度の高さ、カウンターが成功する場面はありながらも、ハマらなかった部分も結構あったのではないかと。また、前線の選手も守備タスクをしっかりとこなしておりましたので、タレントを擁しながらも攻撃の部分で迫力を出せた場面も少なかったと思います。

森岡選手、渡邊選手の流れで得点を奪うことはできたものの、試合を通じての見せ場というのが、なかなか作れなかったのではないかと思いました。監督が求める守備タスクの遂行度とJ1屈指のタレントを擁する前線の選手を中心とする得点力の向上、この点の攻守の両立は今後の鍵になると思いました。

<「対策の対策」の西部選手のミドルパス

さて、今後も川崎対策の一環でビルドアップを狙う対戦相手は少なくないと思います。こうした対策の対策となるアプローチが、この試合で何度か見ることができました。それは、twitterのフォロワーさんが以前から指摘されていた西部選手からのミドルパスです。

前線の選手が最終ラインに張り付き、短い距離でCBに受け渡すことが難しい場合、高い位置取りをしているサイドバックに向けてピンポイントにボールを通すというアプローチです。開幕戦に続き、この日も武岡選手・車屋選手に目がけてボールを通す場面が見られました。

試合前のキーパー練習を見ればわかるとおり、風間監督はGKとフィールドプレイヤーのボール交換の精度を高く要求しています(そして、ベンチに新井選手が名を連ねている理由もこの点かもしれません)。「劇的」とは言えませんが、ベテランながらも西部選手の成長はまだ続いていますし、今後も期待したいところです。

 2. 勝ちきれぬ「悔しさ」と、確かな手応えの「自信」

ネルシーニョLOVEな前半となりましたが、後半は川崎について。繰り返しになりますが、上記のネルシーニョ対策は、個々の選手の遂行度こそは高かったものの、昨季までの柏に比べれば完成度は高くなかったことから、川崎にも勝機はありました。その点では、勝敗の鍵は自分たちの中にある試合でした。

(1)相手を仕留めるために求める精度

今年見た2試合の感想から継続して書いておりますが、試合開始であったとしても今そこにある決定機をモノにすることが重要だと思います。この点は、良し悪しの出た試合でした。神戸は前線の選手に比べると最終ラインの選手は必要以上に動かずに構えており、特に前半はゴール前の人垣に跳ね返される場面が多かったと思います。

ただし、後半は速攻と崩しの部分で上回れており、より確率の高い決定機が多かったと思います。本当、流れの中のわずかな判断ミスで得点を奪えなかった場面が非常に多かったです。自分たちがリードできる場面は、失点後も何度かありましたので、この点は悔やまれます。シュート等の技術的なミスよりも、この日は判断でのミスが多かっただけに、この点は引き続き、向上してほしい部分だと思います。

(2)攻撃の中に見た2つのバランス面でのカイゼン

2得点で終わった攻撃ではありましたが、その中身に「進化」の手応えをより確かに感じる内容でした。私見ではありますが、具体的には2つの部分での「カイゼン」について取り上げたいと思います。

<「繋ぎ」と「仕掛け」のバランス>

昨季の感想でも度々書いておりますが、各選手が風間監督の指導を踏まえた「繋ぎ」の意識が強すぎると、縦に早い「仕掛け」が出来なくなる機能不全が発生します。選手の理解度が高まることで、この点は年々改善傾向にありますが、今年は開幕時から非常にバランスのとれた攻撃ができていると思います。この日の試合は、特に速攻による仕掛けの部分が相手に脅威を与えることができました(おそらく、パスワークに固執していれば、ネルシーニョ監督がスペースを埋める処置を施されて、打つ手が無くなっていたと思います)。

レナト・武岡はスピード、エウシーニョにはリズム、悠様は身体能力+テクニックと単騎突破できるだけの個人戦術があるだけに、この点を生かした場面を魅せて、得点に繋げていってほしいです。

<左右の“華麗なるワンツー・ワンツー”>

もう一つは、左右の攻撃バランスです。昨季までの川崎では、ノボリ・レナトの左との比較では、右の田中裕介・森谷は守備バランスや中央の選手との繋ぎの中継役としての役割は大きかったものの、攻撃を仕掛ける場面は多くありませんでした。この点が改善傾向を見せているのが、2試合の印象です。

この日の試合で印象的だったのは、序盤は左からの攻撃が連続し、相手も何とか防ぐ展開。その後、今度は右サイドでボールを持った武岡選手が単騎突破、一気にゴール前まで侵入するという鋭い攻めを展開しました。左ジャブ連発からの右ストレート、まさに「ワンツー」パンチのような攻め方に唸りました。また、後半には武岡選手が後ろのスペースをケアしつつ、エウシーニョ選手が前線に仕掛けていく場面が何度も見られました。

エウシーニョ選手の良い部分の1つは、サイドから中央に侵入していく動きで、この動きが相手の守備には脅威にもなりますし、武岡選手が絡めば、さらに厚みの増した攻撃を展開できると思います。レナトを徹底マークで封じられた場合に苦戦する展開は少なくなかっただけに、右からの攻撃は大きな武器になると思います。今後も、川崎の「華麗なるワンツー・ワンツー」(スチャダラパー風)に期待したいところです。

 以上です。開幕2週目で迎えたネルシーニョ神戸ということで、苦戦した中でも勝機もありました。勝てなかったことは悔しいですが、春期講習で学んだ課題を次の勝ち点3に繋げていかねばと思います。カイゼンもまた継続性だと思います。進化の歩みを止めず、上手さと強さを魅せるサッカーで次こそは勝利を掴んでほしいです。

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