ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

11/23 :『i☆Ris 2nd Anniversary Live 〜Dream Evolution〜』


■ ハイブリッド・アイドルの進化を「目撃」
昨日はi☆Ris(アイリス)の2周年ワンマンライブを見てきました。近年、私は夏に開催される『TOKYO IDOL FESTIVAL』(TIF)で印象に残ったグループを覚えてフォローすることにしていますが、今年、最もインパクトを感じたのはi☆Risでした。夏以降、リリイベや生誕祭に足を運ぶようになり、待望のワンマンライブ。本当に素晴らしいライブでした。見終わった後、涙腺が緩みそうな感動を覚えました。公演を見て感じたことは、以下の3つです。

i☆Risから「グループアイドルの魅力は何か?」を再考
普段、ライブ等に足を運んでいて、超カッコつけて書くと哲学っぽく(笑)「グループアイドルの魅力とは何か」と考えることはあります(年数回)。例えば、全力ダンスが織りなす躍動感、センターボーカルのある種の神々しさ、むき出しの個性と個性のぶつかり合うMCは構成する要素として、もちろん大きな魅力だと思います。
しかし、最も大切なことは、ライブで作り出される独特の空気感だと思います。正直、あまり統制は取れてないのですが、わい雑感があります(笑)。適度な密集度と、型に囚われない自由度が自然発生的に一体感が生まれたりもします。色々なグループのファンが集まるアイドルイベントではよくある風景だと思いますし、「盛り上がろう」とするノリは(ライブに限っては)私も好きです。そういう空気感が作り出されていたのが昨日のライブだったと思います。熱狂の源泉はそこではないかと。

〇 多彩な楽曲が織りなす魅力

今回、ライブで6曲以上聞くのは初めてだったのですが、改めて、スタンダードなアイドルナンバー以外にも様々な楽曲を歌ってきたことに気付かされます。例えば、『徒太陽』のようにアグレッシブなダンスで魅せ場の多い曲がありますし、初期の『COLOR』や『イチズ』のように素敵なコーラスワークで推せる曲もある。

個人的におススメで、この日のライブでも一番アガったのは『幻想曲WONDERLAND』です。マリオネットを意識したコンセプトや山北さんの綺麗なターンなど、振付やダンスも見せ場もありますし、自分が大好物な曲の途中でテンポがガラッと変わる楽曲というのも大きな特徴です。テンポを戻したり、上げたり、ジェットコースター感覚はタメが生まれるのでライブでドッカンドッカン盛り上がりました。知らない曲でもライブで盛り上がれることは大きな強みだと思います。

もちろん、1曲目に『ミラクル☆パラダイス』、中盤前にプリパラのキャラソン、最後に『Make it!』と、プリパラ効果で足を運んだ新規客を想定したセットリスト構成だったことから、今回のライブを契機にリピーターになりうる満足度を提供できたと思います。特に、DressingPafé『No D&D code』は初披露で、振付も作中を再現ということで、自然とテンションMAX(&リラックス)になる楽曲でした。

○ 「声優」としてのi☆Risを表現すること
一方、中盤戦に展開されたアテレコパートは、普段のライブやイベントでは見られない声優の顔を見せてくれました。イベントではなく、明確なワンマンライブという公演形式の中で実施されたことには若干の賛否はあると思いますが、私は、i☆Risというグループのコンセプトを考えると、非常に良い試みだったと思います。
i☆Risは、「アイドル声優」ユニットといより、「アイドル」と「声優」の双方に全力で主取組む、ハイブリッド性をコンセプトにしたグループです。これまでの2年間、ダンスやボーカルだけでなく、声優としてもレッスンを積み、デビューやレギュラーを経験し、現在では6人が同じ作品で共演する機会をもらっています。2周年という場で、ライブパフォーマンスと同様に研鑽を重ねた、声の表現者としての成長を見せることができたのは良かったと思います。是非とも、ライブ等でこうした機会を継続して設けてほしいと思いました。

■ 私見:新時代の到来、そして決意の3年目
元々、私は2000年代の10年間はアニメ・声優系の現場に足を運んできた人間で、その過程の中で多くの企画系ユニットが結成されては解散をしていく流れを見てきました。大半は1つの作品やラジオ番組を契機に結成されたグループということで、企画等がひと段落すれば自然解消されるというのは当たり前、「仕方ない」と思うしかなかったです。
その意味で、2009年に結成されたスフィアのライブを見た時は大きな衝撃を覚えました。当時、企画型から事務所直轄型の若手声優を中心とするグループの流れはあったものの、ここまでのスピード、規模そして戦略性のあるグループが出てくるとは思いもしなかったからです。日本武道館のライブを見に行った時に「声優ユニットの完成形を見た」という実感があり、当時はコレを超えるユニットは出てこないと思ったくらいです。
こうした経緯もあって、多くのグループアイドルが出演するTIFで初めてi☆Risを見た時は鳥肌が立ちました。真面目にタイムテーブル見間違えたのかと思ったくらいです(笑)。まだ、多くの人に知られてはいないのかもしれないけど、素晴らしいパフォーマンスをするユニットがアニメ・声優業界にいることに驚かされました。
前述のとおり、従来の声優系グループからアプローチを変えて、双方に並行して活動を続けることで、時間をかけて少しずつ成長を続けてきました。昨今、芸能事務所等も声優業界に参入させる流れが増えてきましたが、今後はこうした流れも出てくるのではないかと思います。ある意味、新時代の到来を予感させるライブでした。
そして、3年目に突入するi☆Ris。地に足をつけた活動とバックアップを経て、成功させたワンマンライブ。ワンマンライブを開催することの重み、ライブに人を集めることの大変さ、大きなステージでライブするプレッシャーが肌感覚で伝わりました。気が付くと場面ごとにメンバーが泣いていた場面が印象的で、この1つのライブにかける思いを感じ取ることができました。若井さんがMCで述べておりましたが、私も3年目はグループアイドルとしても大切な時期だと思います。だからこそ、ユメノツバサを広げて、大きく飛翔してほしいですね。