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ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

9/10:『アジアでサッカーの仕事をするには』(日本大学)


■ 知られざるアジアサッカーの世界
水曜日に勉強を兼ねて、アジアサッカー研究所が主催する『アジアサッカーキャリアセミナー』に参加してきました。スポーツマネジメントの分野でご活躍されている和光大学の原田尚幸先生が告知されていたのを契機に足を運んだのですが、大変興味深い話を聞くことができました。以下の内容でセミナーの内容を振り返りながら、自分が印象に残った点を書いていきたいと思います。

東南アジアにおけるサッカービジネスの展開
前半は、シンガポールカンボジアで幅広くスポーツビジネスを展開する「Global Football Academy」(以下「GFA」という)の斉藤泰一郎氏による講演。講演は「東南アジアのサッカー環境とビジネス」ということで、シンガポールカンボジアで展開する事業に関して具体的な事例を交えて紹介されていました。
GFAの事業は、スクール事業を中心に、同社が業務提携するシンガポールカンボジアのクラブの運営への協力、スポーツマネジメントの分野も手掛けるなど、多岐に渡るようです。斎藤氏のお話によると、スクール事業については、シンガポールは現地在住の日本人を中心に、カンボジアでは日本人だけではなく現地の方々も参加しているとのこと。
スポーツマネジメントと絡めたお話で興味深かったのは、カンボジアに進出した企業(事例で登場したのはヤマハ カンボジア)が企業のプレゼンスを高めるため、GFAを通じて企業名を冠したサッカークリニックを展開するという取組の話です。東南アジア諸国で需要の高いバイクを売り込むために、これから購入する潜在層を意識した取組として行ったそうですが、大会やクラブのスポンサーとは異なり、企業単体では難しい取組だと思います。話題の中でも触れられていましたが、特にアジア諸国でのバイク分野は、古くより進出するホンダというライバル企業が大きなシェアを持っているだけに、こうした独自性のあるマーケティング事業を展開できる意味でもWin-Winの関係なのではないかと感じました。

○ 日本人サッカー選手の海外挑戦について
後半は、斎藤氏と元大宮・川辺隆弥選手を交えて「サッカー選手の海外キャリア」に関する話題。川辺選手は大宮の後、南米2か国クラブの練習参加を経て、シンガポールリーグに2年在籍、昨季は東欧2か国でプレイする等、アジアに限らず、世界各地でプレイをしているとのこと。海外移籍の経緯や日本サッカーとの違いについて、自らの体験を色々と話していただきました。
印象に残ったことは、当たり前のことかもしれませんが、海外のクラブに所属するということが、現地から見れば「外国人選手」としてプレイすることになり、クラブの中心選手として活躍することが求められるという点です。もちろん、日本代表で活躍する海外クラブの選手もクラブの貴重な戦力として戦っているとは思いますが、実際にクラブの中心選手・大黒柱というレベルに至っている選手は少ないと思います。川辺選手のようにクラブの少ない枠組みの中でプレイを続けるということは、ある意味、求められるハードルが高いのではないかと感じました。
また、海外でプレイするために大切なこととして、川辺選手は語学については何度も述べておりましたが、環境への順応も重要な点であると感じました。例えば、斎藤氏も説明していたとおり、シンガポール多民族国家ということで、クラブによって民族構成等も異なるそうです。そうした輪の中に入って馴染んでいくことがプレイする上でも大切なのだと思いました。だから、語学は絶対に欠かせないツールなのだと考えることもできます。若い選手が海外に挑戦するのは良いことだと思います。しかし、応援するクラブで退団した若手選手にも言えることなのですが、プレイだけでなく、サッカーを取り巻く環境に対する理解を踏まえて考えてほしいものです。

○ 日本サッカーをアジアで売り込むためには?
質疑応答のところで、Jリーグや国内クラブにおけるアジア展開について、自分も斎藤氏に質問させていただきました。やはり、日本サッカーの東南アジア諸国での市場開拓について、現状、斎藤氏の感触では「難しい」と述べておりました。理由は明確で、既に現地の方々はプレミアリーグセリエA等の欧州サッカーを見ており、街中では欧州ビッグクラブのレプリカシャツを着た方も多くいるからです。そういう環境下で単純にJリーグを中継しても、たしかに市場を開拓していくのは難しいと私でも感じます。欧州に流れるアジアマネー、アジア経済圏を引き込むというJリーグの視点と方向性は間違っていないと思いますが、この話を聞いて、改めて、独自性や工夫が必要ではないかと感じました。
また、クラブ単位の取組についても、斎藤氏が述べられておりましたが、クラブとしてのゴール設定をどこに定めるのかが重要ではないかと思います。まだまだ、取組はこれからだと思いますが、明確なビジョンをもって進めていく必要はあると思います。


以上です。上には書いていませんが、斎藤氏がお話されていたカンボジアリーグの話題など、非常に濃い内容も聞くことができて大変面白いセミナーとなりました。セミナーは今後も続いていくようなので、時間の都合があえば、是非、参加できればと考えております。

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