ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記・Jリーグ:川崎フロンターレ-セレッソ大阪


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昨日は等々力陸上競技場セレッソ大阪との試合を観戦してきました。先月のリーグ戦再開直後の試合では逆転勝ちを収めましたが、セレッソは2010年以降、等々力でも勝ててない相手(1分3敗)だけに勝ちたかった試合でした。試合は点の取り合いとなる打撃戦となりましたが、打ち勝って勝利を収めることができました。試合を見ていて感じたことは以下の3点です。
〇 進化した破壊力を見せつけた前半

図:川崎フロンターレのスターティングメンバー
前半は、先制点を奪われたものの、早い時間での同点・逆転に成功した川崎ペースで進みました。前節の浦和戦で実践した選手配置を継続して採用したことで、選手間の適切な距離を保ちながら、相手選手の間に入って顔を出す動きが活性化したことで、相手のプレスを無効化することに成功、結果的に攻撃の厚みが生まれたと思います。私見ですが、憲剛がトップ下の時のように高い位置でボールを受ける場面が増えたこと、レナトが良いかたちでボールを運べるようになったことも、その効果として表れているのではないかと。継続して採用した場合、憲剛とレナトの得点が増えてきそうな気もします。
〇 受け師・小林悠
嘉人さんが相手選手に助言されたというくらい、川崎で一番怖い選手は小林悠だと思います。スルーパスに走りながらピタッと足元で収めて決めた1点目のシーンは、風間監督が述べるところの「一番早い」動きです。従前から、現在の悠様の最大の武器はトラップであると述べているのですが、動き出し、昨年に体得したサイドから中へ入っていく動きも含めて、彼の能力がいかんなく発揮されたゴールだったと思います。
最前線が3枚になることで、ポジションの流動性がさらに高まると思いますし、サイドからの仕掛けも増えてくると思います。そうした意味では、どこでも正確に受けて、仕掛けて、顔を出すことが出来る悠様は個人戦術として脅威になりそうです。
〇 後半45分をどのように捉えるべきか?
上記では、『愛少女ポリアンヌ物語』ばりに「よかった探し」を徹底してきましたが、流石に先制点を含めた4失点について振り返らなければなりません。個人的に考えたことは、3つの要因があると考えております。
一点目は、試合経過と失点の関係性についてです。川崎は4-1と3点差を広げることに成功しましたが、前半終了時で達成されたことに一抹の不安を覚えていました。なぜなら、点差が開いたことでアプローチの段階から大幅修正を仕掛けてくることが予想され、相手ベンチには扇原等の選手が控えていたので内容を改善するメンバーがいたということです。結果、後半最初のところで失点を喫したことで相手に勢いを与えてしまいました。本当に2失点目が一番痛かったと思います。あそこで耐え凌げれば、逆襲からの追加点を奪って試合を決めることができたのではないかと思います。
二点目は、後半の川崎のプレイの質についてです。上記のとおり、後半早々に失点して相手に勢いを与えたため、その後の相手の決定機が連続したことは影響していると思うのですが、正確性に欠いたプレイ、もっと言ってしまえば雑なプレイが散見されたと思います。結局、自分たちがボールを持つ時間を少なくしてしまったことが苦境の最大の原因だと思います。点差のリードを考えれば、前半以上に丁寧にボールを扱っても良かったと思いますし、杉山に関しては前半同様に落ち着いて最終ラインから繋ぐように進めてもらえれば良かったと思います。西部さんと杉山の間で大きく差があるとすれば、この間合いの取り方ではないかと思います。「急いては事をし損ずる」ではないですが、改善点であると感じています。
三点目は、ディフェンスの連携です。攻撃性を引き出すために3-4-3の選手配置を採用したとはいえ、守備のアプローチにも変化があります。WBの選手が戻っていて実質5枚揃っている時は大丈夫なのですが、問題はそうではない時です。相手が両サイドを起点にして攻撃を仕掛けてきた後半は、相手の侵入を防げなかったことで決定機を何度も作らされてしまいました。攻守の切り替え、さらにいえば攻撃から守備への切り替えを素早く行い、あるべき位置に戻ることが大切です。意識を含めて、その点が緩かったのは否めません。
また、サネが述べていた、守備の距離間というのも重要な視点だと思います。後半によく見られたのは、選手同士が競り合った後のボールを取ることができず結果的に相手に繋ぐことができたという場面です。どうしても選手間の距離が開いてしまうと、カバーが不十分になってしまって、味方のチャレンジが無駄になってしまいます。攻撃時と同様に、守備の距離感を保つことも今後の課題として取り組んでほしいです。


以上です。ユースケが述べたとおり、悪夢とも言える、一昨年の天皇杯・大宮戦が頭によぎる試合になりました。風間フロンターレの現在地として、前半のクオリティは進化の証でありますが、後半のクオリティはタイトルを目指すチームがまだ詰めなければならない課題です。ネルシーニョ・レッスンを経て、進化の過程にあるチーム、夏を終えて一回り大きくなった姿を実感したいところです。

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