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ボンクラライフ

観戦記:2014Jリーグ J1昇格プレーオフ決勝

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今日のサッカー。J1昇格プレーオフ決勝・ジェフユナイテッド千葉-モンテディオ山形。夢と残酷の90分。

■ 残酷ショーへようこそ

今日は味スタでJ1昇格プレーオフ決勝を観戦。毎年、この時期の観戦は寒さとの戦いですが、そんなことも忘れるくらい熱い激闘でした。千葉を率いる関塚隆監督、山形を率いる石崎信弘監督はともに川崎の監督して大変お世話になった方々であり、どちらも人柄含めて大好きな監督です。天秤にかけることもできず、フラットな視点で2人の対決を見守っていました。試合を通じて感じたことは以下のとおりです。

■ 両チームの駆け引き

リーグ戦の失点数(44失点)が同数、総得点は互角と数字上も拮抗する両チーム。引き分けでも昇格の千葉、勝つしかない山形というレギュレーションを加味すると、1点を争う試合になることは戦前から想定されました。

<千葉の攻勢を乗り切った山形が先制>

序盤から攻勢に出たのは千葉。プレーオフ準決勝を経て決勝にたどり着いた山形に対して、千葉は山形との天皇杯準決勝(26日)から1週間半ぶりの試合。試合間隔が微妙に開いていたことから、千葉の試合の入り方は1つの鍵になるのではないかと感じていました。

関塚監督は勝ちを意識して前半から攻めの姿勢を出していました。山形のプレスを意識してか、序盤はロングボールを駆使して相手陣内に押し込む流れを作り、森本選手が若干下がった場合は飛び出した町田選手が飛び出す等、アプローチを変えながら山形ゴールに迫ってきました。

しかし、千葉は山形のディフェンスの体の張った守備の前にゴールを割ることができませんでした。前半の山形は石崎サッカーの代名詞とも言える前線からのハイプレスを取らず、ある程度、引いて守る選択を取られたように見えました。千葉の攻撃をしっかりと抑えたうえでカウンターをいかに仕掛けるか、という姿勢だと思いました。

だからこそ、千葉の攻勢を耐え切った後に掴んだ数少ない決定機をモノにした山形の先制点は本当に大きかったと思います。山形もこのまま試合が進んでしまえばバランスを崩しても前に出ざるえないですし、押し込まれてる分だけリスクも増してきます。そうした意味では、本当に良い時間帯に入った先制点だったと思います。

<気迫で攻め続ける千葉、タフに守り続けた山形>

後半。1点ビハインドの千葉は前半戦のロングボール主体の攻め方からアプローチを変えてパスを繋ぎながら崩す形も見せながら山形陣内に攻め込んできました。

一方、山形は先制点の後に徐々に前線からのプレスを解禁。千葉の最終ラインにもプレッシャーをかけて、千葉のボールホルダーに対して数的優位の状態を作る、ゴール前は人数をかけてブロックする、この3点を徹底してタフに守り続けました。

その結果、千葉は山形の守備を崩せずに時間は進み、前半よりも森本にも良いかたちでボールが入らなくなりました。千葉は、後半30分を過ぎたところでケンペス田中佑昌を投入してパワープレイを含めた総攻撃の体制で攻めこみました。これが功を奏してか、ゴール前の決定機を作ることに成功しましたが、立ちふさがったのがノリに乗ってる「時の人」山岸選手でした。終盤の千葉の猛攻を抑え込んで、流れを断ち切り守り切った山形が勝利をおさめました。

この試合を見て、改めて両チームの間に大きな差は無かったと感じました。山形が上回ったのは、この試合に至るまでに乗り越えてきた試合で磨かれた「タフさ」、そして手にした「勢い」だったのではないかと。

そのように考えると、この試合は一発勝負という「点」のように見えるものの、実は長く連続した「線」の先端だったのではないかと思いました。

■ 興業という視点から見る「昇格プレーオフ

 上記のように、今年のプレーオフ決勝は3度目の開催で過去最多の観客動員数を記録しました。ジェフと山形という東京に比較的近い組合せも良かったかもしれませんが、何よりも準決勝での山岸選手の決勝ゴールが大きく取り上げられた効果も大きかったのではないかと思います。

勝てば昇格という大一番、当該クラブのサポ以外に刺激的なテーマで、残酷ショーに近い様相を呈しております。しかし、試合内容は気持ちのこもった本当に熱い試合でした。それこそ試合の緊張感と応援の熱気を肌感覚で直に味わうことができるサッカー観戦の醍醐味ともいえる内容だと思います。残酷ショーの中に内包された純粋な試合としての魅力は、もっと多くの人に広めても良いのではないかと思いました。

プレーオフ制度の導入により、昇格という目標をより多くのクラブが視野に入れることになり、近年では最終節まで6位圏内をかけた試合も注目されるようになったと思います。プレーオフの舞台に進むことはもちろん、プレーオフ決勝の価値を高めることは、リーグ戦の注目度を高める契機にしていけるのではないかと思います。

来季から始まるJ1のプレーオフもそうですが、注目度の高い試合をいかに多くの人に共有してもらうか、その熱をいかに普段のリーグ戦を含めて波及させていくのかは、Jリーグ側も我々も含めて課題にしていきたいところですね。

 

以上です。山形の皆様、本当に昇格おめでとうございます。何卒来年はよろしくお願いいたします。

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