ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記・天皇杯:川崎フロンターレ-モンテディオ山形


■ “ハードワーカー”との対峙
今季ラストの会社⇒等々力。天皇杯4回戦で山形と2年ぶり対戦、山形とは08年、10年と天皇杯で定期的に対戦している印象が強いですね。08年の時は昇格を控えていたチームの中に豊田(現在は鳥栖)がいたこと、10年は延長戦の末に敗戦を喫した苦い思い出が今も忘れられない。攻撃力に定評のあるということで打ち合い覚悟の気持ちで観戦に気持ちを入れていきました。珍しく応援モードではなく、観戦モードだったので気になった点を。

◇ 川崎:ビルドアップに苦戦する
試合序盤から、山形の選手たちが川崎の最終ラインに圧力をかけてくる場面が見られました。こうした動きを受けて、川崎は2つの点で苦戦を強いられることになったと考えます。選手のインタビュー等でもお話がありましたが、1つは最終ラインからのビルドアップに支障をきたしたことです。特に最近、よく見られていたボランチが最終ラインに入り込む形も封じられてしまい、何本か相手に高い位置でのボール奪取を許す結果となりました。そのため守備に回る時間が多く、前半はシュート4本と川崎にしては少ない数字を残しています。

もう1つ、私が感じたのは選手間の距離を調整できなかったことが大きかったと思います。相手選手の寄せが厳しかったこともあり、川崎の選手たちが「自分たちの距離」でボールを繋ぐことができなかったように見えました。試合間隔が空いたこともあり、試合の中で距離感を微調整したかったところですね。パス交換でのミスが目立たのも、こうした影響が大きかったのではないでしょうか。後半に憲剛が入り、そうした部分が改善されたのがよくわかりました。

◇ 山形:落ちることのなかったプレス強度
山形は中2日での試合ということで、フィジカルコンディションは厳しかったと考えていました。そのため、私もナビスコ杯の浦和戦(第1戦)のようなバテを期待していたのですが、退場者を出した終盤まではプレスの強度を落とすことなく押し込むことができていたと思います。そのため、最終ラインを高い位置にキープすることに成功し、攻撃・守備ともに川崎を圧倒する時間帯を長く作れていたと思います。攻撃力の高さを支えてきた面が非常によくわかりました。

◇ 勝敗を分けた集中力とファウル数
苦戦を強いられる中で得点を奪えたのは、言うまでもなく嘉人さんの高い集中力によるところですね。相手の隙を狙う姿は試合を通じて見られましたが、特に2点目となった憲剛のインターセプトからシュートに至るまでの流れは驚かされました。嘉人さんの今シーズンの得点数を裏付ける象徴的なシチュエーションだったと思います。

一方、押し込みながらも得点に至らなかった山形。ポスト直撃等の運がなかったという流れもあり、先制点を奪えてれば試合は完全に山形の流れだったと思います。川崎は押し込まれたことで逆に守備に対する集中力が高まったことで、ギリギリ踏みとどまれたという内容の守備も多かったと思います。個人的に気になったのはファウルの多さですね。攻撃の流れはファウルで切れてしまいますし、セットプレイを許した数だけ危機が増えると思います。この点は、個々の守備の荒さが目立った点にも繋がると思います。ハードワークの中に脆さがあったすれば、この点かもしれませんね。

■ 頂点を目指して・・・
試合は2−0で勝利、4年ぶりのベスト8に進出。対戦相手は鳥栖とまたハードワークな相手、こうした相手に自分たちのスタイルを見せて行けるようになればと感じています。目指すのは、元旦国立の晴れ舞台と「優勝」の二文字です。