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ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

読了:堀江貴文「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」

■ ブレないホリエモンが「伝える」
ホリエモンこと堀江貴文氏の新著。私は一昨年から彼のメールマガジン購読するようになったこともあり、堀江氏の日々の活動等を定期的に知ることができましたが、この3年間は収監、服役そして出所と彼を取り巻く環境が劇的に変化していました。しかし、パソコンもネットがない場所にいたにも関わらず、メールマガジンは毎週のように配信されるとともに、刑務所の生活や減量などが日記として別の面白みが出てくるなど、より読み応えのあるとも感じたくらいです。そうした姿勢を見て、改めて「よく働く人だな」と感じさせられました。

本書のメインテーマは「働くこと」についてです。堀江氏に対して批判的な考えを持つ方々は「ホリエモン=拝金」という図式を思い浮かべると思いますし、当初私がイメージしていたホリエモン像も同様でした。しかし、堀江氏の発言や意見等を目にしてくと、その考え方は少し焦点がズレているということに気付かされます。その差異は、彼の働くことに対する考え方によるところが大きい、ということを本書ではわかりやすく伝えてくれると思います。

本書では、第1章から2章にかけて、これまであまり大きくは語られなかった、堀江氏の少年期から会社立ち上げまでの経験を細かく語られています。アルバイト等を経て、パソコンを手に入れるために新聞配達で得た金銭より、自分のプログラミングのスキルを出しきって得た経験等に価値を見出したことが、まさに現在に繋がる原点のように感じました。そして、働くためにどのようにアプローチしていくのかを第3章、それを支えるために必要だと考える自身の考え方が第4章、そして終章では未来を含めた希望について語っています。3章以降は過去の著書やメルマガ等で再三言及されているところではありますが、再入門的な部分も含めて、改めてわかりやすく説明されていたという印象です。

時間を差し出して金銭を得るだけの関係から脱却して、いかにお金から自由になる働き方をできるようになるのか、という本書でも多くページを割いている堀江氏の主張は、言葉の使い方には若干の違いはあれど、基本的に変わっていない部分だと思います。しかし、今回の著書が従来までと大きく異なるのは、そのことについて丁寧に「伝える」ことに大きく比重を置いたことだと思います。本書でも触れられていますが、従来は「結論をシンプルに伝える」ことを重視し、それによって「誤解されても、誤解する方が悪い」という立ち位置にいたと述べています。本書では、構成段階からそうですが、その考え方に至るに当たって、どのような経験をしてきたのかという視点で細かく、丁寧に語っています。

企業で社員として仕事をしているという意味では自分と堀江氏と真逆な立場ですが、「働くこと」という根本は一緒。入社から一定の時期を経過した今だからこそ、自分が出来ることを再考する良い機会になりました。おススメの1冊です。