読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

2013年シーズンにおける等々力陸上競技場のホームゲームに関する考察

表1: 等々力陸上競技場の観客動員数および集客率(2013年)

■ 収容人数の縮小に伴う「動員数」の減少
川崎フロンターレの本拠地である等々力陸上競技場は、今季よりメインスタンドの改修工事のため仮設スタンドを設置して試合を開催しています。そのため、旧メインスタンドに設置されていた客席数が大幅に減ったため、収容人数が2万人弱にまで縮小されています。近年の川崎の平均観客動員数は17000人前後を推移していましたが、このような客席数の減少もあって、現時点での平均観客動員数は「16187人」と下回っています。

■ クラブ史上最高の数値をキープする集客率
一方、収容人数に対する動員数を表す「集客率」は過去最高の数値をキープしています。上記「表1」にまとめてみましたが、10月末までの平均値で「78.2%」は優勝争いを展開した09年シーズンを上回る最高値です。また、試合ごとに見ていくと7月の上位チームとの対戦では85%近い集客率をキープしており、スタジアムの良い雰囲気を作れたのではないかと思います。
表2: 観客動員数および集客率の推移(2008年-2013年)

■ 高い集客率のメリットとデメリット
以上のように、今季の等々力は、例年より集客数が減少傾向にありながらも過去最高の集客率を維持するという状況にあります。私はこの状況が生み出すメリットとデメリットの双方が考えられると思います。

まず、私が考えるメリットは、「一体感の創出」です。等々力といえば「等々力劇場」とも言われる劇的勝利ですが、あの熱狂の源泉こそ、高い集客率のもたらす密度がスタジアムにもたらす一体感ではないでしょうか。その点では、集客率の高さが雰囲気作りの一端を担っているのではないかと私は考えております。また、スタジアムでの体験はリピーターを生む要因にもなると思いますので、こうした雰囲気が観客に与える効果というのも大きいのではないでしょうか。

次に、私の考えるデメリットは、ズバリ「利便性の低下」です。従前から等々力はトイレ数やコンコース通路の幅などが十分な状態とはいえず、メインが縮小化されたことに伴い、バックスタンドにより人が集まることになりました。さらに、客席数の限定に伴い自由席やゾーン指定席の確保も困難なものになり、必ずしも快適な観戦環境とは言いづらい状況と言えます。その点を考慮すると、高い集客率は「キャパオーバー」と捉えることもできると思います。

■ おわりに
今季の等々力について、動員の観点から考察していきましたが、特殊環境下ながら、Jリーグ随一の集客率を維持することで非常に良い雰囲気をスタジアムで作れていることは大きな強みだと思います。一方、観戦環境をいかにより良いものにしていくかを考えていく必要はあるかもしれません。魅力あるJリーグを発信していくといううえでも、スタジアム観戦という視点から色々と考えていく必要があると思いますので、今後とも足元から考察を続けていければと思います。