ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

読了:林原めぐみ『林原めぐみの愛たくて逢いたくて・・・』

林原めぐみの愛たくて逢いたくて…


■ めぐさんと様々な職業人の対談集
近所のブックオフで購入。筆者も高校生の頃に『ニュータイプ』で読んでたり。
内容は林原さんと様々なフィールドで活躍されている方々と「天職」をテーマに
した対談集。林原さんと親交のある宗次郎氏や菅野ようこさんをはじめ、声優の
仕事では、なかなか交わることのない着付け師、料理評論家など、ゲストも様々。


林原さんのラジオリスナーは、受験や進路に取り組む学生層も多かったりする。
筆者が『Tokyo Boggie Night』を一番聞いていた時期も、大学受験前であった。
やはり、そうしたリスナーから職業や勉強の相談を受けることも多いらしい。


そこで、自分が生業としている声優以外の職業を紹介したいという思いで
実現したのが、本書の元となっている連載企画。ゲスト陣の経歴も異色揃い。


案内人ともいえる林原さんも学生時代、看護学校と日ナレを通っていたりと
進路について悩みながら現在の道筋を決めた*1という経験もある。
声優という職業に身を置いていること含め、対談も林原さんらしい内容だった。


社会人準備期間中の自分も「働くこと」とか「自分の職業」について、
深く考えさせられた。あと、久々にブギーナイト聞きたくなった(笑)


また、これがアニメ誌での連載だったと考えると、かなり異色にも思えた。
今もニュータイプ等の老舗アニメ誌は、活字で読ませるページの割合が少ない。
イラストなどのヒンナップと情報重視のため、読むというより眺める印象が強い。


私見だが、もっとアニメ誌はアニメ文化を軸に様々なフィールドに踏み込んでも
いいと考えるようになった。例えば、作品のバックボーンを、実際の歴史的な側面
や文化からの考察、外部の専門家に意見を聞いてみるなどである。外部の視点を
取りいれ、アニメファンの視点・知識をを磨いていくことは専門誌の役割では?


是非とも、こうした連載が今後のアニメや声優雑誌で企画されればと思っている。


文:Y.Ishii

*1:林原さんの学生時代や若手時代のエピソードは『なんとかなるなる―ちょっトク文庫版 (角川スニーカー文庫)』で詳しく語られている。