ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

【短期連載】2008年総括:読書編

今年発売された本を中心にレビュー。最近の私は貧乏性なので、知識となって
自分の血となり肉となるような本ばかり読んでる感じ。小説は読まなくなった。
そんな中で「面白い」「これはオヌヌメ」という本を再掲していこうと思います。


宇都宮徹壱『股旅フットボール』(東邦出版)
本書はテレビでも取り上げられることが少ない地域リーグ都道府県リーグのチームに
焦点をあてたルポタ。筆者の宇都宮さんはスポナビで「JFL定点観測」のコラムを連載。


百年構想の最前線はこうした下部クラブにあるという視点から、地域クラブが抱える
目標や課題について取り上げている。クラブライフについて、海外からの事例調査と
いう形では吉崎エイジーニョ氏の「オレもサッカー「海外組」になるんだ!!! 」が
非常に面白いかと。こちらは実際にプレイしているという形ですけども。。。


小島和宏『ぼくの週プロ青春記』(白夜書房
90年代、新日本や全日本プは深夜放送に移行して、長らく続いてきたテレビプロレスの
時代は終わりを告げていた。一方で、専門誌である週刊プロレスターザン山本!体制
で驚異の週60万部を売上げ、デスマッチやルチャを看板にしたインディー団体による
ライブプロレスが新たな活路を見出していた。筆者は大仁田厚率いるFMWやサスケの
みちのくプロレス、90年代の女子プロブームを取材を通じて追ってきた元・週プロ記者。


週プロに青春を捧げた筆者が語るノンフィクション、暴露本の存在がチープに見える。


鈴木敏夫『仕事道楽 スタジオジブリの現場』(岩波書店
ジブリを支えている鈴木敏夫氏が語る、宮崎・高畑監督や仕事のことについて。
パヤオさんについては「折り返し点」や「宮崎駿の世界」なんかもあるのだが、
一番近い人が語る第三者の視点というの意味で興味深かった。また、ジブリのことは
語られることは多いけども、徳間書店については触れられることはあまりなかったので
徳間から出向した鈴木氏によると、また徳間の社長についてのエピソードも珍しいかも。


アレだけの多忙にも関わらず、道楽という言葉が使われているのが押井監督が言う
ように「仕事を自由にこなせるという意味で本質的な自由人」だから仕事を楽しめてる
ということなんだろう。今までとは違った、ジブリに対する視点を与えてくれたと思う。


文:Y.Ishii