ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

読了:『U.W.F.変態新書』

U.W.F.変態新書 (kamipro books)


■ 変態ファンの熱を感じよう!!
本屋で『変態』の名がついた本が平積みされているというのは不思議な光景だ。
本書は『kamipro』で人気企画*1である『変態座談会』を単行本化したもの。
自分の記憶が正しければDSE最終興行となった『PRIDE.34』の事後座談会の席で
堀江ガンツ記者が田村−桜庭戦の展望を熱く語ったことが「変態」呼ばわりの契機かと。


第1回の『UWF*2変態座談会』からはじまり、前田日明船木誠勝桜庭和志*3
番外編となった『キン肉マン変態座談会』と新規収録『プロレス変態座談会』*4
kamipro』でお馴染みの菊池成孔氏の『変態とは何か』のインタビューも収録。


実際、自分もスクラップして別にファイリングしていたくらい「変態座談会」は好き。
理由としては座談会特有のファンの濃さや熱ってのが活字を通じて伝わってくるから。
自分はビデオ等でしかUWFやU系団体というのを見ていない。自分が知るのは、
ポストUWFの格闘技、プロレスの世界だけ。UWFがどんなものであったかという本は
近年は頻繁に出版されている*5が、それもあくまで情報の一端でしかなかった。


『変態座談会』のいいところは、当時の思い出を楽しそうに語っている雰囲気だと思う。
変態達と同じものを見てきた人間からすれば「あるある」であり、その時代を知らない
私ぐらいの世代からすれば「そうか、こんな時代があったのか」という熱伝導が起こる。
活字だからこそ表現できる熱があり、それがスイングしているのが人気の秘密だろうか。


ちなみに自分も「あるある」と納得していたのが番外編の『キン肉マン変態座談会』だ。
私が仲間内でキン肉マンの話をする時の流れが全く同じで、大笑いをしてしまった。
変態とマインドが一致したということで嬉しいような、そうでもない感情が覆っていた。


直撃変態世代から変態候補生まで読んでワクワクさせるが、知識は偏るかも(笑)

*1:実際に読者による「面白かった記事」ランキングで1位を獲得し続けているという事実、ポッドキャストでも変態座談会への要望メールが多いことからも感じる

*2:たたし、後半は田村潔司の話題が中心となっている

*3:この座談会の内容を元・Uインター宮戸優光氏に読まれてしまい、後日呼び出しを食らったとか(『kamipro』125号参照)。変態座談会の今後に暗雲が漂っているともいえる。。

*4:この座談会は本当にノー資料の仕込み無しで行ったらしいが、その異常なまでの内容の濃さに変態の片鱗を感じる

*5:例えば前述の宮戸氏の『UWF最強の真実』が昨年末に文庫化、別冊宝島で『UWF伝説』が発売(今夏に文庫化)、今年になって週プロの別冊で『新生UWF証言集』が発売。ここ数年、UWF関連書籍が充実が顕著である