ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

『山崎バニラの愉快な活弁ワールド in Yokohama』 第2弾


(そういえば、2年前に県庁の説明会で行ったんだよな。県民ホール)


■ バニラ弁士の活弁イベント、待望の第2弾
昨夏に開催された山崎バニラさんの神奈川芸術文化財団主催イベントの第2弾。
前回公演が追加を含め札止めしたためか、今回は神奈川県民ホールで開催。
発表からすごーく楽しみにしていました、座席も2列19番とかなりのグッドポジ。


■ オープニング
暗転、前回公演でも登場してきた「宇宙船バニラ号」のナレーションに映像がつく。
最後は横浜の当会場に無事、着陸。明るくなって、バニラさん登場してのご挨拶。


■ 大藤信郎アニメーション『心の力』(1931年作品) with 大正琴
日本でも最も古い年代のアニメーション作品、大藤氏はその第一人者的存在。
↓の『豪勇ロイド』をモチーフにした作品らしく、日本風にアレンジした作品だとか。


物語は、弱虫の主人公が「日本一力札」というお守りを手に入れ、大活躍するという話。
しかしもって、紙を少しずつ動かして作ったというアニメの動きや効果に驚きっぱなし。
それにバニラさんが音をつけることでテンポの良さが際立つ、犬猫まで見事にこなす。


■ 幕間
トークコーナーとして、バニラさんの近況報告としてアニメ映画の出演が決まったとか。
一つは押井守監督監修のオムニバス映画*1、もう一つは主役クラスの仕事だとか。


ついでに、客席からの質問タイムをもらったので、自分も意を決して質問を投げてみた。
バニラさんの好きな映画のジャンルを尋ね、フランス映画が好みとのこと。なるほどぉ。


ハロルド・ロイド『豪勇ロイド』(1922年作品) with ピアノ
ロイドは、チャップリンキートンと並ぶ「世界の三大喜劇王」の一人とされる。
物語は、やはり弱虫の主人公・ロイドが祖母からもらったお守りを手に大活躍をする話。
上の作品が10分だったのに対して、こちらは50分と非常に長い作品となる*2


こちらはBGM、SE、劇中歌(笑)、ツッコミのバニラ流活弁ワールド炸裂でドッカンと沸く。
バニラさんならではのアプローチで、喜劇作品ならではの魅力と笑いを引き出した。
50分という時間があっという間、物語のベースが同じなのに満足度は異常に高かった。


■ 感想:バニラ的活弁空間は進化する!!
ネタが同じな2作品を上映するという試みは、後半の遊びを生かす上でも良かった。
前半はやや反応が大人しかったが、その種まきもあって逆に後半がドッカンドッカン。
いやぁ、今回も楽しかった。カナガワ・アート・カフェには今回も感謝感謝です。


少し残念だったのは平日夜ということで、足が遠のいてしまった人が多かったことか。


幕間でもバニラさんが仰っていたのだが、活弁の台本や演奏音楽はオリジナルだ。
だから、同じ演目でも彼女が思うところがあれば、前とは異なる構成を提示する*3
声優やナレーターと比較すると、声の演者として活弁士は一歩踏み込んだ存在となる。


そう考えると、全ての裁量は持っているのは楽なようだが、かなり大変な作業だろう。
実際、本人のブログでも書かれていたが、膨大な量の譜面と台本を書き上げてきた。
同時に自分のパフォーマンスが公演の内容の良し悪しに直結する。これも辛いだろう。


そうした困難やプレッシャーをはねのけて、今回も成功に導いたのは本当に凄いです。
これからも新たなフィールドにも挑戦するということで、それを活弁で生かして欲しい。
まさにバニラ的活弁空間は進化する!是非、私も次の活弁公演も参加したいですね。
ということで、図々しい感じだが、再び神奈川芸術文化財団にリクエストしておこう(笑)


本当に、バニラさんはお疲れ様でした。

*1:テーマはチャンバラ?らしい、これは本当に作品情報的にも初出ではないだろうか

*2:もちろん楽譜も30枚近くに及び、台本も膨大な量になったとか

*3:実際、今回の『心の力』も清泉女子大公演の再演だが、結構な書き直しがあったらしい