ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

『サンキュー・スモーキング』

サンキュー・スモーキング (特別編) [DVD]


ロビイストという職業を面白おかしく垣間見る
物語は『タバコ研究アカデミー』に務める主人公がネガキャンを払拭しようとする話。
主人公はメディアや各地を飛び回って奮闘するのだが、スキャンダルに巻き込まれ…。


自分に限らずとも「タバコは体に悪い」という印象は誰もが持っているだろう。
タバコ関連業界が利益を損ねないようにするために動いたのがロビイストの主人公だ。
このロビイストという職業、日本では制度化されてない立場だけに、馴染みが薄いか?


丁度、自分がワシントンの大学院で講義をしてくれた教授が元・ロビイストだった。
もちろん講義でロビー活動についても詳しく説明してくれた。英語のメモを引っ張った。
ワシントンには3万人近いロビイストがいるらしく、年間で250億ドル近いお金が動く。
日本の企業でもロビー活動はしており、トヨタも06年には470万ドルを払っている。


内容がずれないレベルで映画の話に戻すが、ロビイストの主人公は討論番組に出たり、
イメージアップのため映画を通じてイメージアップ戦略を打ったり、上院議員が出した
タバコの印象を悪化させるドクロマーク法案を阻止すべく公聴会に参加したりする。
ここまで派手なことは仕掛けてるのか?だが、ロビイストの中身を垣間見た気がする。


利益団体の守護者たる主人公、これまた弁が立つ。作品全体にリズムを与えている。
ロビイストは、プレゼン能力を社会での実践をフル活用している仕事の一つかもしれん。
主人公を演じるアーロン・エッカートの好演技もあり、そこがよく描かれていたと思う。


「タバコがいいのか、悪いのか」という二元論が軸だったのとテンポも良かったので
見やすく、面白かった。ただ、最後に勢いが失速気味だったのが残念と言えば残念。