ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

アニメバンプ論・自学自習 :『true tears』(1)

様々な作品に触れる一方、今期ターゲットに『true tears』を絞ってみる。
今の時代は便利なモノでHPや制作者直筆のブログもある、教材には事欠かない。


■ 制作者ブログより:「贅沢な作風」とは何か?
http://www.truetears.jp/blog/2008/01/00true_tears.html
記事を書いている8日現在、最新の記事に書かれた「贅沢な作風」に目を引く。
なかなか「贅沢」という言葉は見ることがないが、何が一体、贅沢なのだろうか?


記事を読んでいくと、一つは、制作をとりまく環境の充実さについて触れている。
充実したスタッフ陣、制作会社の本社のある富山県*1が舞台だったということ。
なるほど、綿密な背景描写を生み出したのは、頻繁に実施されたロケハンの成果か。


もう一つは、西村監督の制作姿勢について。これは下の監督のコメントにも記述。
第1話を見て「ほの暗さ」という印象を受けた当方だけに、方向性は気になるところ。


どうやら、監督の方針としては、力業の真っ向勝負で繊細な描写を積み重ねる一方で、
説明に必要な描写を敢えて切り捨てる*2という、贅沢な手法を用いていること。
ということは、我々が作品を視聴する上で必要とされるのは「行間を読みとく力」か?
一見すると説明不足とも考えられるような描き方も、実は何かを含ませていることか。


また『true tears』というテーマ*3・コンセプトを貫くという姿勢を感じた。
良い作品の条件として自分は“ぶれない”作品を一つあげるが、果たしてどうなるか?


そういえば『風人物語』も「風」というテーマを一貫し、大胆な描写で描かれたが、
実は登場人物達の心の描写であるとか、心境の変化の部分などはで語られなかった。
これが監督のスタイルだとしたら、視聴者も若干好き嫌いが出てきてもおかしくない。
とはいえ、万人に受け有名作とはいえずとも、洗練された良作になる可能性を感じたり。


まだまだ奥が深そうだ。ならば、ディープにいこうじゃないか!

*1:何となく雪が降る、海沿い、町並みから“北陸ちっく”だなという仮説を立ててはいたが

*2:これを西村監督は「大人の演出」と言うらしい

*3:原作から継承しているのはタイトルだけで、あとは完全オリジナル作品