ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

コミック:綱本将也・ツジモト『GIANT KILLING(1)−(3)』

GIANT KILLING(1) (モーニング KC) GIANT KILLING(2) (モーニング KC) GIANT KILLING(3) (モーニング KC)


■ 勝負事においてこんな楽しいこと他にあるかよ
主人公・達海猛は低迷が続くプロチームETU*1の監督を要請されることに。
彼はETUの中心選手として活躍しながらも、海外クラブに移籍した過去を持つ。
そんな達海は監督としてアマチームを率いて、FAカップのベスト32まで進んだ。


交渉に訪れたGMの後藤と広報の永田は、その試合で驚くべき光景を目にす。
プレミア相手にアマチームが迫る、それが達海が最も好む「GIANT KILLING*2だ。


『モーニング』で最近、読み出して気になっていたので3巻まで一気に購入。
低迷が続くチームを立て直す監督という設定がサッカーマンガの着眼点として新鮮。
野球だと『ダントツ』とか『クロカン』あたりを思い出すが、サッカーは知らない。


達海の語るように小さなチームが大きなチームに勝つというのはドラマチックだ。
「当初の予想を超える」シーンは、格差が大きければ大きいほどサプライズを増す。
もちろん試合は一発勝負だから何が起こるかわからない、だからスポーツは面白い。
近年「絶対王者*3という言葉が流行っているが、やはりスポーツに「絶対」はない。


「大物食い」の仕掛け作り、それが監督である主人公の役割であるだろう。
超人的な能力を持った選手はいないが、チームを生かすサッカーを提示していく。
そのために仕掛けられた何かが解ける瞬間こそ、このマンガで一番の見所に違いない。

*1:イースト・トーキョー・ユナイテッド」の略称

*2:英語で「大物喰い」という意味を表す

*3:小橋建太さんの王者時代が語源のこの言葉、本家も復帰してまた使われるように