ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

『真・女立喰師列伝』を見てきた


(シネクイントでは30日まで上映、もう一回は見ておきたい)


■ 5人の監督による『立喰師』オムニバス映画
昨年公開された『立喰師列伝』からスピンオフした、新たなる立喰師達の物語。
押井守監督だけでなく、神山健二監督や神谷誠監督などの5監督による6作品。
そして、個性的な女立喰師を演じるは6人の女優。早速、私も友人と見てきた。


■ 『金魚姫 鼈甲飴の有理』
かつて、縁日の露店に出現した伝説の女立喰師『鼈甲飴のユリ』を追うという話。
押井監督がひし美ゆり子さんを起用し、何とも妖しくも妖艶な世界観を展開する。
尺が短いせいか、少しラストは唐突な雰囲気ながらも、ドキっとしてしまったり。


■ 『荒野の弐丁拳銃 バーボンのミキ』
水野美紀さん演じる女ガンマンが、悪の保安官と銃撃戦を展開するエピソード。
何かすごいない動きをしていたような、とにかくアクションが目を引いた作品。



■ 『Dandelion 学食のマブ』
かつて、立喰師と激闘を繰り広げた神山*1がファミレス店長になった話。
精霊の守り人』でも接点のある安藤真吹さんを主演に起用、これまた素敵美人。
立喰師でまさかラブストーリーでまとめてくるとは、意表をつかれた感じだ。


■ 『草間のささやき 苺氷の玖実』
トウキビ畑に菓子行者を誘いこんでは菓子を奪っていく少女と氷売りの少年の話。
画面全体に広がるトウキビ畑と怪しげなお堂の雰囲気が抜群の存在感を見せたり。
6本で『立喰師』の枠には一番とらわれていなかった、それだけに新鮮だったか。


■ 『歌謡の天使 クレープのマミ』
これはツボだった、期待値以上のモノを見せてもらった気がするか。
↑とは逆に一番『立喰師』の屋台骨を生かした作風にインチキ昭和設定。
オタ芸とか“いかにも”なアイドルっぽい歌(大絶賛の意味で)とかサイコウ!


■ 『ASSULT GIRL ケンタッキーの日菜子』
流石にKFCからは了解とれてるんだろうかね、なかなか際どいぞ。
ストーリーは、これまた尺が短すぎて何とも。とはいえ、オチは笑ったけど。


■ 見終わって雑感
6話によるオムニバスで作風も様々だが、総合的にはなかなか良かった。
『立喰師』は「昭和」という時代を「立喰師」でいかに表現するかと考えるなら、
『真・女立喰師』は「立喰師」という概念を監督の色でいかに表現するかかな?


そうすると、私的なベストは『草間のささやき』か『歌謡の天使』の2作品かな。
好対照であったけど、それぞれの色で「立喰師」というのをよく描けていたと思う。
本命だった押井監督の2作品はあっさり、というか少し物足りなさを感じたくらい。


あと、川井サウンドも良かったけど、押井作品にしては珍しく主題歌が目立ってた。
最初にも書いたけど、総合で見てもなかなか面白かったので終わるまでにもう一度!

*1:立喰師列伝』で牛丼の牛五郎・ハンバーガーの哲などに遭遇した神山店長その人!