ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

アニメバンプ論・夏の課題:『ひだまりスケッチ』(全12話)

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■ あらすじは…
やまぶき高校美術科1年・ゆのが暮らすのは、学校間近の『ひだまり荘』。
同じ『ひだまり荘』に住む宮子、上級生のヒロ・紗英と共に楽しい日々を送る。
課題、四季、学校行事、人との触れあい…、彼女の充実した学生生活を垣間見る。


■ 感想:演出と物語のバランスの重要性
『中途半端に見てたアニメを全話見よう』第2弾、TSUTAYAで借りて見た。
リアルタイムは、見ていても演出が目立ちすぎていたんで苦手意識があったり。
見終えて、自分なりに感じたことを3点ほど整理して述べていきたいと思います。


まずは「物語性がない」と思っていたんですが、それは色眼鏡だったんだなと。
軸となるテーマがしっかりしてますし、終盤のエピソードは物語中心だったし。
結局、アクセントとしての演出の見せ方かもしれない、実写は浮いてくるしね。


次に、今言及してきた部分と被ってはくるのだが演出の手法に対しての見解。
場面を印象づける演出の引き出しは本当に多かったし、上手くハマッていた。
これはキャラの方向付けが明確(キャラ立ちとでも言うべきか)なのが大きいか。


最後に、学生寮や共同生活を舞台にした作品は多いと思いますけども、
ひだまり荘みたいな形式は珍しい、とりあえずアニメ化に至った作品では。
少年・青年漫画では管理人や大家が主人公だったりするんですけどね、うん。


以上から私が考えるのは、見る度、感想書く度に述べる、バランスなのかなと。
演出過多で物語性の欠如が顕著な作品は、技術見本市みたいなものだと思うし、
ダラダラと在り来たりの物語を展開していくだけなのは見ていく方も辛いと思う。


だから『ゲームはユーザーの飽きと闘う文化』という視点*1ではないけれど、
ならば東京圏の深夜帯やネット上にアップされている大量のTVアニメというのも、
同じように『視聴者の飽きと戦う宿命』にあると考えても良いと私は考えてる。


そのため、他作品と付加価値、差別化をするためには斬新・新鮮さが求められる。
演出手法の見せ方はその一種の打開策なのかもしれないし、私も悪いとは思わない。
ただ、瞬間的なインパクトではなく、作品としての記憶に残る印象が欲しいと思うね。


ニーズは色々かもしれないが、私はキャラも演出も、まずは物語ありきですね。
私的に今まで見た新房作品では物語・演出ともにいい感じで満たしてくれました。

*1:Kamipro No.110』の浜村弘一氏インタビューより