ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

『桑島法子 一人語り SORA TO KAZE』


(絶好の朗読日和?天候も何とか持った感じで)


■ 法子さん、初の野外講演に挑戦!
今回は、桑島法子さんの朗読夜イベントでは初の野外講演に参加する。
朗読夜に行くのは『朗読夜 grayish 〜冬〜』以来なので、約2年半ぶり。
会場は熊谷にある熊谷文化創造館さくらめいと・風の劇場、遠征クラスの移動。



(会場となった風の劇場、完全にオープンなスペース)

■ 公演の概要
ほぼ定刻通りスタート、ハンドマイク片手に桑島さん登場。
早速『高原』と『岩手軽便鉄道の一月』を舞台を一回りしながら披露。
思ったよりマイクの音量も大きくて、後ろの席までよく聞こえていた。


桑島さんの挨拶があり、続いての朗読は『いてふの森』という童話。
銀杏の実の子供達が、母親の木から離れて旅に出て行くというストーリー。
桑島さんが普段では聞けないような様々なタイプの子供達を演じてたり。


MCを挟んで『一本木野』と童話『どんぐりと山猫』を続けて朗読する。
自分も『どんぐり』は何回か読んだ話だが、結構気に入っている話でもある。


ここで休憩が入る、少しずつ日も傾いて周りも暗くなってくる。
休憩後のMCでは、今回の野外会場の雰囲気に感激の弁を語る法子さん。


そして気合新たに賢治の詩歌『松の森』*1に『雨ニモマケズ』と続き
MCを挟んでからは『稲作挿話』と賢治の代表作『詠決の朝』を披露。
独特のイントネーション*2、メッセージ性などを込めて緩急つけながら語る。


星もチラチラ見えてきて雰囲気も出てきて、法子さんは再び感激。
最後に詩『くらかけ山の月』と童話『なめとこ山の熊』を披露する。
法子さんの側にあった筒から松明のように炎が出てくるという演出も。


朗読夜の締めは、やっぱり『原体剣舞連』*3を今回もノーマイクで。
腹の底から出している声は、マイク越しよりも耳に響いてくるようだ。


■ 感想:絶好のロケーションを確保した会場チョイス
比較的交通量も少なく、田園風景も広がる、本当に絶妙の会場ロケーション。
公演は年1・2回と多くないので、コンセプトから公演に至るまでの過程が長い。
本人の希望から実現したシチュエーション、桑島さんは大満足だったようですし。


首都圏在住の当方としては、距離的には行けなくもないというレベルの位置。
普通に朗読に興味がある人というよりは、単純に桑島ファン層が集まった感じで。
そう考えると本来の意図からは離れてしまうのか微妙だが、試みとしては面白い。
また、こうした野外公演もやって欲しいです。参加された皆様もお疲れ様でした。

*1:これと『永訣の朝』と『無声慟哭』はトシを語る三部作と言われているらしい

*2:詩歌で用いられてる“なまり”など、桑島さんは地元出身なのでナチュラルな発音

*3:この歌をはじめ、何編かの詩歌は『Flores ?死者への花束』にも収録されている