ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

読了:村上春樹『国境の南、太陽の西』

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)


■ 「中間はないんだね?」
物語は主人公・ハジメと足を引きずる島本さんの間で展開される。
仲が良かった島本さんと離れてからも彼女の影を追っかけていた主人公。


主人公は30を過ぎて結婚、子供にも恵まれ、オシャレなバーの経営者に。
順風満帆のはずなのに満たされない。そんな時、ハジメは島本さんと再会する。
家庭を持つ存在でありながらも再び島本さんの存在が気になり、惹かれていく…。


例によって“らしい”展開なのだが、非常に大人の物語という印象。
春樹の作品の主人公が子供というわけではないが、若々しさを感じるから。
それに比べると本作のハジメは家庭を持っている点も含めて、大人に思える。


島本さんの正体であるとか、イズミであるとか、これまた謎も少し残る。
どこかの世界に飛ばなかったんだけど、それだけが今回の?だった部分だ。
久々に春樹読んだけど、当分は読み終わった何ともな気持ちに浸っていたい。