ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

庵野総監督の新劇場版『エヴァ』所信表明文を読んで…

拡大した本文はこちら:http://eva.yahoo.co.jp/gekijou/big_message.html
■ 閉塞感の打破と未来への願い
庵野総監督は「願い」という言葉を用いて所信表明を始めている。
これは本文中盤における「志」という言葉にも変換できると私は考える。
「思い」を実現するための最善策こそ『エヴァ』再映像化ということらしい。


文章を読んでいて気になったのは

エヴァはもう古い、とも感じます。
しかし、この12年間エヴァより新しいアニメはありませんでした。

という部分。たぶん、庵野氏が言う「新しい」は技術論のことではないだろう。
10年以上が経過して、エヴァブームに肩を並べるムーブメントは起こっていない。
ヲタの環状線の内部のムーブメントはあっただろうが、外部まで届いてはいなかった。
だから、一般人の視点では、未だ『エヴァ』より新しい作品は登場していないかもな。

本来アニメーションを支えるファン層であるべき中高生のアニメ離れ

と言う部分で、コレはメディアミックスや試聴環境の変化があるかな。
現在のアニメは、メディアミックスの枝の一つとして機能してる部分も強いし。
私達が同時期に見ていた作品も、現在だったら深夜かUHF送りの作品が多そうだし。
なので、アニメを「作品」という視点で消費できる機会が限られているのは大きい。


すると、アニメーションというフィールドにも非常に閉塞的な側面を感じてしまう。
その業界の閉塞感の打破と未来への模索を『エヴァ』が改めて担う、大きな動きだ。
一方、私は新しい時代を作るのはやはり新しい作品であって欲しい気持ちもあるのだ。
新劇場版の是非は現段階で問えない。ただ今は庵野氏の思いを真摯に受け止めたい。


■ そして、私は補完されるんだろうか
私は『まごころを、君に』を見終わった時に非常に“ざらっ”とした印象が残った。
本当の「26話」であった話を消化したはずなのに、見終わった気がしなかった。
モヤモヤを残したまま10年近くが経って、まだ私自身がエヴァを補完していない。
新劇場版を通して、自分の中でエヴァと決着が付けばいいなぁ、と思っていたりする。