ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

『立喰師列伝』(通常版)


立喰師列伝 通常版 [DVD]


■ まぁ、改めて見たわけで
戦後から間もない夜の闇市蕎麦屋で説教をする「月見の銀二」に始まり、
安保闘争中に名を馳せた「ケツネコロッケのお銀」、成長期の「泣きの犬丸」、
外食産業システムに崩壊をもたらした「牛丼の牛五郎」「ハンバーガーの哲」など。
(私は、村上春樹的な問答・独白が展開される「フランクフルトの辰」が好きだが)


“虚構”の戦後昭和史を各年代に活躍した立喰師のスタイルと共に語る本作。
押井監督の「立喰師」ギミックに対する愛が感じる、普通の人にはお勧めできない。
事実、立ち食い(立喰師)を登場させた『紅い眼鏡』『ご先祖様万々歳』もチラッと。


1から10まで押井節が全開で、見る人も置いてけぼりなくらい。
ただし、監督がリアルの戦後昭和史に関する分析や持論を軸にしているのも確か。
虚構ながら「立喰師」の姿から「戦後昭和とは何だったのか?」を考えさせられた。
「昭和」が終わって15年以上過ぎ、時代を語るには程良い頃合なのかもしれない。
“今更”感もある「立喰師列伝」だが、そう考えると“今”だから作ったとも言える。


(ちなみに私が劇場で見たときの雑感は↓の記事に書いています)
くだらねえ…たかが蕎麦じゃねえか - ぶらり人生途中下車の旅