ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

読了・コミック:菊池直恵『鉄子の旅』(5)


鉄子の旅 (5) (IKKI COMIX)


■原点回帰と新規路線?
前巻で案内人の横見浩彦氏が、前人未踏の全駅下車達成が伝えられる。
そこで「初心にかえる」という青春18きっぷで1都11県大回り』でスタート。
ここで何かを悟ったのか、次の回から毎週誰かしらゲストが旅の道連れになる。
アイドルやフォトライターなど、バラエティに富んだゲストを迎え、旅はにぎやかに。
気のせいか、徐々に連載・取材の待遇がよくなっているような、次の巻は海外進出だし。


■駅巡りというパラドックスの旅
本来、鉄道に乗っては駅で降りることは、目的地へ行くための「手段」だ。
しかし『鉄子』では、その「乗ること」「駅に行くこと」が「目的」である。
「手段」の目的化によって成り立っている旅、それが『鉄子の旅』なのである。


こうした旅は、たくさんの駅があり、本人の意思とは別に常に走り続ける
鉄道の旅だから出来る気がする。そこに大きな魅力があり、面白みがあるのだろう。
知らない鉄道に乗り、見知らぬ駅へと誘ってほしい、そんな魔力すら感じてしまう。