ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

休憩・読了:公野櫻子『ストロベリー・パニック!』



■物語みたいな
物語は、アストラエアの丘にある「聖ミアトル女学園」から始まる。
最上級生・花園静馬は、特定の女の子と付き合っても1ヶ月しか続かない。
情熱が続かない、そんな感じで思いにふける彼女の前にある一人の少女が現れる。
その娘は学園に編入してきた蒼井渚砂だった、彼女が静馬のその後を変える。。。


■読み終わって。。。
正直のところ、これだけ集中して読んだのは久々かねぇ。
公野先生の作品は『シスプリ』以来だから、3年ぶりくらいかな。
百合の王道というのはイマイチ私には考察しがたいというか知識に欠ける。
今作品は「名門女子校」「男子禁制」「秘められた恋」というのが柱となっている。


話としては「アストラエアの丘」がガッチリと作られている感じはある。
これに公野先生の「少女の内面から世界を見つめる独特のスタイル」が加わった。
強いて言うと、前者という側面が新たにあるのが『シスプリ』との大きな違いかな。
少女の内面を中心にモノローグ的に、だが一つの物語として成立させるバランス感覚。
いろんな意味でこの著者にしかかけないわ、と思わされた感じがします。


tennbinn,you are next!


■ふと、私が感じたこと(ここからは適当、苦情とか勘弁)
ポストシスプリ時代、「禁断の企画」みたいな謳い文句で始動。
双恋』『パピー・ガールズ』など、迷走し始めた電撃企画の一端を担った。
ただ、個人的に考えるに『ストパニ』は他とは少し異なるイメージがあった。


双恋』などは、ムーブメントとしてはまだ未開拓の新しいものだった。
では、『ストパニ』の「百合」ブランドもそうだったのか?たぶん違うはず。
当時の「百合」はオタク市場で右肩上がりのブランド、つまり開拓された土壌。
これは、オタク市場の開拓から参入への転換を意味する企画だったのかもしれない。


■イチゴ狂想曲が市場に流れるのか?
個人的な観測、今はある程度『百合』ブームは一段落した感じがする。
では、この時期の企画の本格的に展開していくのは時期はずれなのか?
そうではない、というのが私なりの考えである。時期的には割りといいのかも。
余熱はある状態、目立った対抗馬もいないとなれば、あとは盛り上げ方次第では?


電撃文庫発、ブームの立役者だった男性ユーザーを取り込みやすい環境作り。
4月からの最たるメディア露出、アニメ化を前にこれらのお膳立てができている。
近年の強力なコンテンツたるネットラジオ・文庫版・コミック版、全て出揃ってる。
そして放送開始前の大型イベント開催、流石に過去の経験値は伊達ではないようだ。


設備投資が早い段階で整った『ストパニ』、ひょっとするとひょっとするかも。
春の嵐、それがイチゴの嵐になるのか否かはまだわからない。。。
てな感じで専門論文の片手暇に書いてました、ごめんなさい。