ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:第89回都市対抗野球大会 西関東予選・東芝-三菱日立パワーシステムズ

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5月25日、横浜スタジアム都市対抗野球・西関東予選の代表決定リーグ戦を観戦。

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7月から東京ドームで開催される第89回都市対抗野球大会の予選大会が各地で開催されています。この日の西関東予選は、40回目の出場を目指す川崎市東芝ブレイブアレウスが登場するということで足を運びました。

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近年、収容率が12球団トップクラスのハマスタでゆったりと野球観戦出来るのは良い。

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夕食は(収益に貢献してしまったのはアレだが)ベイスターズクラフトビールを片手に崎陽軒シウマイ弁当

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この時期のナイター観戦は、風も心地よく感じるので気持ち良いのでビールも進む(ビールクズ目線)。

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三菱日立パワーシステムズとの試合は、東芝が接戦を制する。

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東芝の先発・岡野投手は10安打を許したものの、粘りの投球で完投勝利。打線も「ピンチの後にチャンスあり」を見事に体現するように決定機をモノにして逆転。非常に良いかたちで第2戦に繋げたと思います。

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応援指導部を中心とする東芝スタンドの雰囲気も良かったです。企業スポーツにおける応援は、前時代的なモノと捉えられることもできると思いますが、スタンドから漏れ聞こえてきた声に耳を傾けると、厳しい経営環境の中でチームが存続したこと、会社の名前を背負ったチームの活躍に素直に喜ぶ内容が聞こえてきます。

その意味では、応援が生み出す「緩やかな連帯」の意識が支えになってるのではないかと感じました。

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野球部に限らず、リーチ・マイケル選手も所属するラグビー部・東芝ブレイブルーパス、あるいはバスケ部を前身とするBリーグ川崎ブレイブサンダースの選手たちも、機会を見て東芝愛を語っています。経費的な面では色々言われることはありますが、東芝にとって、3つの「ブレイブ」ハートは間違いなく会社のレガシーであると思います。

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そうした思いに触れた後、スタンドで歌われた東芝社歌の歌詞に刻まれる「進み行く東芝 その名ぞ永遠に」には言葉以上の重みを感じました。川崎市東芝の名前を背負って、東京ドームの切符を掴んで欲しいところです。

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観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ-清水エスパルス

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5月20日、等々力で清水戦を観戦。

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ゼロックス杯から怒涛のごとく駆け抜けた3ヶ月の戦いも一区切り。毎度ながら、始まりますとあっという間ですね(汗)

試合は、憲剛さんと阿部ちゃん選手のゴールで3得点を奪った川崎が勝利。試合を通じて感じたことは、以下の通りです。

〇 新たなケミストリー

川崎のスタメンは、前節から1名変更。左SHに長谷川選手が入り、久々に阿部選手をワントップ起用。ファンソッコ選手をはじめ、長身の選手が揃う清水さんを相手に地上戦で勝負する意図が伝わる布陣でした。

印象に残ったのは、2試合連続の先発起用の守田選手を組み込んだ中盤の動きでした。前節・柏戦において「アンカー気味」の位置で素晴らしいパフォーマンスを見せた守田選手でしたが、最終ラインとのビルドアップ、大島選手とのダブルボランチの関係性、あるいはフリーマンの家長選手・憲剛さんへの繋ぎ、といった潤滑油の役割を果たしていました。

ネット選手も同様の立ち位置でプレーしておりますが、狭いスペースを縫うように突破する器用さ、左右にボールを捌くことを意識したボールの動かし方は、新たなケミストリーを生み出していたと思います。

前半戦は、昨季のベストメンバーのパフォーマンスに頼りがちだったのですが、ココに来て新たな力を組み込んだかたちで勝利を引き寄せたことは、中断明けの後半戦に向けた良い材料になったと思います。この日は、ラルフ・赤﨑両選手が投入されましたが、守田選手に続く存在に期待したいところです。

〇 「勝ちたい」気持ちを1つにして

この日は、W杯開催に伴う中断前の最後のリーグ戦。GWに等々力で連敗ストップのために、等々力を盛り上げてくれた西城秀樹さんのために、川崎イレブンの「勝ちたい」気持ちがいつも以上に伝わってくる試合でした。

特に、この試合で活躍した憲剛さんの熱いプレーには、イレブン・サポーターを牽引する強い引力が働いていたと思います。

観客が少なかった頃の等々力を知る憲剛さんだからこそ、長年スタジアムを盛り上げてくれた西城秀樹さんへの感謝の気持ちは並々ならぬ思いをがあったと思います。さらに、等々力ではこれ以上負けたくないという燃え上がる闘志もワンプレーごとに伝わってきました。

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技術に強い気持ちを加わってこそ「戦闘力」であると風間前監督が著書で語っておりましたが、その言葉を強く裏付けるパフォーマンスであったと思います。

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以上です。気持ちだけで試合に勝てるほど、プロの世界は甘くない。日々応援する観戦者の立場からも理解しているつもりです。

しかしながら、柏戦もそうでしたが、思い・気持ちが勝利を引き寄せる力になることを感じる試合でした。だからこそ、応援する自分たちも気持ちを乗せて、少しでも勝利を引き込める手助けをできればと思います。

力強いフロンターレコールで鼓舞し続けてくれたヒデキのように。

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読了:西部謙司『日本代表戦術アナライズ』

サッカー日本代表戦術アナライズ 歴代監督の「戦術の攻防史」を徹底分析

サッカー日本代表戦術アナライズ 歴代監督の「戦術の攻防史」を徹底分析

 

サッカー日本代表の戦術史を紐解く

本書のテーマは、歴代のサッカー日本代表の戦術分析です。多くの戦術本を世に出している著者・西部さんが、オフト以降のサッカー日本代表の戦術を振り返り、事例として指揮官の集大成とも言えるラストマッチの分析を行っています。

おそらく、シンプルに本年開催のW杯を意識して企画・刊行された書籍だと思われますが、ハリルホジッチ前監督の解任という緊急事態が発生し、後任の西野新監督が「日本人にあったサッカーを目指す」という謎看板が掲げられた現状を踏まえると、タイムリーな内容だったと思います。 以下、本書を読んで印象に残ったことをまとめました。

1.「世界標準」の導入から「日本化」の模索へ

本書の内容を整理するうえで気になったのは、日本代表チームの強化が「世界標準」を取り入れる流れから日本人の特徴を生かした「日本化」を模索する方向に軸足を移していったという点です。

「世界標準」の導入は、Jリーグ開幕に伴うプロ化の流れを受けて就任したオフト氏から始まったと考えられるでしょう。オフトジャパンは「コンパクト」「アイ・コンタクト」等の言葉を用いてチーム戦術を(今風に言えば)言語化、オランダ式のポジション固定型のプレーモデルを採用して攻守のバランスを図る等、代表チームに組織的な戦い方を実装することで躍進を果たしました。

また、本書の解説によれば、オフト以降の代表チームも「世界標準」を意識したチーム戦術を図ってきたことがわかります。加茂周氏の「ゾーンプレス」(ハイライン&プレッシング戦術)は有名ですが、彼の前任者であるファルカンも、当時のACミランが採用していたプレス戦術を志向していたとのこと。日本人選手におけるゾーン戦術の理解度は度々議論にあがりますが、意図的ではないにしろ、90年代後半の日本代表チームはゾーン戦術の実装に継続的に取組んでいた時期と言えます。

そして、両監督が未消化のまま終わったプレス戦術は、細かいディテールを突き詰め、育成年代を含めた徹底指導を施したトルシエジャパンで実装することに成功します。この点も、指導内容に一貫性が無いことから、結果論と考えることができますが、後進国・日本が世界と対峙するために、自然な流れでもあるかなと感じました。

著者・西部氏は「世界標準」を導入する代表強化の流れは、長期的なビジョンを持たない、消極的勝利至上主義のサッカー協会が、トルシエの後任にジーコ氏を招聘するとともに、彼が「個の能力を生かしたサッカー」を掲げたことで大きな転換点を迎えたと指摘しています。

ドイツW杯におけるジーコジャパンの惨敗後、代表監督に就任したオシム氏は「日本サッカーの日本化」を掲げたことで、代表強化は「日本人の特性を生かしたサッカー」の模索に舵を切ることになりました。

オシムジャパンは、多くの可能性を秘めたまま活動を終えてしまいましたが、2度目の就任となった岡田氏もW杯直前まで日本の特徴であるパスワークを駆使したサッカーを志向し、ザッケローニ氏が選手の主張を取り入れて作り上げられた「自分たちのサッカー」も「日本化」を色濃く表現しようとしたものだと考えられるでしょう。

2.「日本人らしいサッカー」とW杯の戦績

本年開催のロシア大会で、日本代表はW杯に6大会連続の出場となります。過去5大会の戦績は、未勝利のグループステージ敗退が3回、ベスト16が2回と極端な結果が出ています。著者・西部氏が「エピローグ」で触れておりましたが、結果を残した2大会に共通する部分は、田嶋・西野両氏が今更語り始めた「日本人らしいサッカー」なる概念を取り除いたサッカーを展開していたことです。

トルシエジャパンはテクニックを捨ててフィジカルとタクティクスで真っ向勝負を挑み、南アフリカ大会に挑んだ岡田ジャパンは川島・中澤・闘莉王を中心とする高さ、本田に代表される前線のフィジカルの強さが武器とする「脱・日本化」のチームを作り上げたことで結果を残しました。

一方、ジーコザッケローニ両監督の「日本化」路線のチームはアジア杯を優勝し、好調時はコンフェデ・強豪国相手の親善試合で善戦したものの、肝心のW杯では1勝も挙げることができませんでした。

もちろん、大会に至るまでの様々な要因が重なってからの結果だと思いますが、こうした傾向を踏まえると、強化委員会における勝因と敗因の分析が充分に出来ていなかったこと、上記のボリスタの対談で著者・西部氏が述べているとおり、消極的勝利主義をベースとする協会が代表強化に向けた中長期ビジョンを描いてこなかった弊害であると考えることができます。

 3.「世界標準」型のハリルホジッチ氏、「日本化」の残光に賭ける西野氏

ハリルホジッチ思考―成功をもたらす指揮官の流儀

ハリルホジッチ思考―成功をもたらす指揮官の流儀

 

本書では取り上げられませんが、ハリルホジッチ前監督は、W杯で対峙するために必要な要素を取り上げ、選手・チームの水準を引き上げるために尽力したことからもわかるように、トルシエ以来の「世界標準」型の監督であると考えることができます。

「デュエル」に代表されるように、従来の特徴を生かすアプローチから、日本人選手が苦手とする部分を克服するための取組を継続的に行い、綿密な分析にもとづいたゲームプランを遂行することで勝利を目指す。自分が現地観戦したアジア最終予選・豪州戦は、指揮官のカラーが濃く出た試合だったと思います。

一方、相手の急所を突く、場合によっては守備的な戦いを実行する戦い方は、テクニックを駆使した「自分たちのサッカー」と大きく乖離するものでした。最終予選後の親善試合で得点を奪えない試合が多かったことから、ハリル氏が志向するサッカーに対して批判が上がるとともに、出場機会を失っていた「ビッグ3」なる勢力を持ち上げる傾向が出てきたのは、こうしたギャップが大きかったことも影響しているのではないかと。

そして、ハリル氏を解任して西野新監督を据えたことを踏まえると、協会の思想は「日本化」の回帰と考えられるでしょう。しかしながら、中長期的なビジョンを持たない協会のトップと新監督が「日本人にあったサッカー」なる甘美な言葉を用いて正当性を主張するのは、正直言って上手くいかなかった時の言い訳にしか聞こえません。

強化委員長=代表監督という強権を持って「自分たちのサッカー」再興を掲げた、デラーズ・フリートのような日本代表チームがロシアで待つのは、残光の輝きか、ビハインド時の吉田麻也にロングボールを放り込む悪夢の再来か。

〇 Not even justice,I want to get truth.

ハリル氏が過去のインタビューでも述べていたとおり、日本代表がグループステージを突破するのは困難なモノであると思います。

フットボール批評issue20

フットボール批評issue20

 

また、『フットボール批評』最新号においてフットボールチャンネルの「ポイズン」植田氏が指摘したとおり、過去の戦績からメディア等は「グループステージ敗退=失敗、突破=成功」というイメージを持たれていることもあり、そうした意識が田嶋氏が無謀な解任劇に至った背景にあったのではないかと考えることもできます。

本書で取り上げた、サッカー日本代表の四半世紀に渡る戦術の歴史から学ぶことは多いと思います。繰り返しになりますが、世界大会の中で何が成功し、何が失敗したのかを協会が細部にわたり検証し、世界で闘うために必要なことをブラッシュアップする必要があるのではないでしょうか。代表の歴史から見えてくるのは、日本サッカーの進歩の陰に潜む、統括組織である日本サッカー協会の機能不全であったと思います。

本書を読み終えて、今そこにあるW杯を備えて、改めて問いたい。あなたたちが述べる正義などはどうでもいい。真実は何なのだ?

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観戦記:明治安田生命J1リーグ・柏レイソル-川崎フロンターレ

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(毎年、訪れたアウェーサポーターに極上のアウェー感を提供する柏駅前の告知看板)

5月12日、三協フロンテア柏サッカー場柏レイソル戦を観戦。

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(フリーペーパー『柏でよりみちアディショナルタイムズ』のハイクオリティーさに驚く)

昨年の荒天とは一転して、本年は天候に恵まれました。

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(川崎サポとしては雨・真夏のナイターのイメージが強い日立台

筆者が提唱する「ピクニックサッカー」(天気が良い日のご飯とサッカー観戦を楽しむ運動)日和でしたが、連敗で終えたGWの反動そのままに「消極的勝利至上主義」という暗黒面と葛藤するレイソルロードの道程でした(汗) 

試合は、先制点を許したものの、悠様のゴラッソと鈴木選手の値千金の決勝ヘッド弾で劇的勝利。試合を通じて感じたことは、以下の通りです。

〇 役割変更と運動量

浦和戦・FC東京戦と連続完封負けを喫した川崎。前半は、伊東選手の華麗なターンからの素晴らしいゴールで先制点を奪われ、素早いネガティブトランジションで形成された柏イレブンのブロックの前に攻めあぐねる等、厳しい内容で終えました。

後半、立ち上がりこそ相手に押し込まれたものの、時間の経過とともに所謂「自分たちの時間帯」に持ち込むことに成功しました。主導権を握れた要因は、前半の劣勢を踏まえた修正がハマったこと、運動量を落とさず走り切れたことの2点だと思います。

前者は「アンカー気味」(鬼木監督談)の役割を担った守田選手がフィジカルの強さと察知力を発揮し、相手の攻撃の起点を幾度となく潰すことに成功しました。

悠様の「まったく空気の読めない」(憲剛さん談)同点弾も守田選手のチェックからのボール奪取が起点になったことも見逃せません。

後者は、劣勢ながらも「相手を多く走らせた」前半の展開が布石となり、鬼木フロンターレの生命線とも言える運動量を駆使したアグレッシブさを前面に押し出すことで、ボールを握り続けることができました。

また、守田選手が中盤後方で砦役を担ったことにより、ボランチを組む大島君が高い位置でプレーできるようになり、ボールのつなぎ役として前線に押し込む時間帯を長く作ることに成功しました。

〇 「アイ,ラルフ」

終盤は「攻める川崎、守る柏」の構図。粘り強く攻め、立ち塞がる中村航輔選手の壁に跳ね返される川崎イレブンを見ながら「何とか1点を奪いたい」という思いが痛く伝わってきました。そんな中で、投入されたのが「ラルフ」鈴木雄斗選手でした。 

鈴木選手と言えば、ACL蔚山現代戦で見せた活躍でサポにも大きなインパクトを残しただけに、初出場ながらも大きな期待を寄せていた方も大きかったと思います。川崎サポの勝ちたい気持ち、初出場に対する激励の双方が込められた熱い声援とともにピッチに入っていく姿が印象に残りました。

本人も述べていたとおり、プロ入り以降は所属チームの主力選手として活躍してきた実績もあるだけに、これまでの立場に対して悔しい思いもあったと思います。

それでも日々のトレーニングの取組等が評価されてメンバー入り、「必然」と述べた鬼木監督の起用に応え、出場時間は10分も満たないながら、勝ち点3を引き寄せる見事な決勝弾を奪いました。

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(破天荒すぎるエピソード、登場人物の狂いぶりが際立った『アイ, トーニャ』)

余談ですが、先日、元フィギュアスケート選手のトーニャ・ハーディングを描いた映画『アイ,トーニャ』を鑑賞しました。


ライバル選手の襲撃事件、前代未聞の五輪におけるスケート靴のトラブルをはじめ、本作で描かれた破天荒すぎるエピソードの数々に驚かされるものがありましたが、(当時)史上2人目となるトリプルアクセルを成功させ、自らの才能と努力で道を切り開く姿は、アメリカンドリームだったと強く感じさせられました。

アスリートには、将来を大きく左右するターニングポイントとなる場面が何度か訪れると思います。トーニャがトリプルアクセル成功で自らの人生を大きく変えたように、ラルフの初ゴールが選手キャリアを大きく進める契機になって欲しいと願わずにはいられない素晴らしい瞬間に立ちあえたことを嬉しく思います。

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(連敗ストップ。勢いを加速して中断前の最後の試合に臨みたい)

以上です。爪痕を残した男が、自らの力でサバイバルという扉を力強くこじ開けてくれました。自分自身、蔚山戦に足を運んだからこそ、彼に対する思いも強くなりました。プロ選手にとって無駄な試合なんて1試合も無い。目の前の1試合、1分を大切に戦っているのだと強く感じさせられました。中断期間まで残り1試合、とにかく全力で。ラルフのスピリットを胸に。

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観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ-FC東京

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5月5日、等々力で多摩川クラシコを観戦。

試合は、セットプレーからの2得点を奪ったFC東京さんの勝利。試合を振り返り、感じたことは以下の通りです。

〇 新たな「カラー」を見せつけた長谷川トーキョー

今季初対戦のFC東京さんは、長谷川健太監督のカラーが色濃く出ていたと思います。 

運動量を駆使した攻守の切替、球際の強さ、ロングカウンターを軸にしたシンプルな攻撃を特徴とするチームは、2014年にガンバ大阪の監督として三冠を達成した時のチームに似た雰囲気を感じました。

また、長谷川ガンバの主力選手として活躍した阿部選手を獲得した昨季のフロンターレも、風間監督が築いたサッカースタイルに加え、攻守でハードワークをする部分を植え付けたことによって、初タイトルを引き寄せることができました。自分の中で「川崎のガンバ化」と評していた変貌を、今季は長谷川監督自らがFC東京さんで起こしているのだと外から見て感じていました。

両チームが変貌を遂げた背景に加え、疲労度の否めない連戦の状況を踏まえ、戦前より「相手よりハードワークできるか?」が試合のカギを握ると考えていましたが、FC東京さんに圧倒されてしまいました。

長谷川監督に「(足が)つるまでやれ!灰になるまで戦え」と檄を飛ばされた永井選手の鋭いプレスバック、ディエゴ・オリベイラ選手が見せた駆け引きの上手さが守備陣の脅威となり続け、中盤の選手も球際の強さに加え、相手の圧力を剥がして繋ぐ展開力も見せることにより、攻守に主導権を握り続けることに成功しました。

まるで、排気量の違うエンジンを積んだマシンが同じレースを戦っているような、両チームの機動性の違いに軽く絶望してしまいました。

〇 鬼木フロンターレに求められる整理と課題

2試合連続の完封負けで2015年以来の連敗。4月下旬に3連勝を飾り、上昇気流に乗れたと思っただけに、悔しさと同時に今後への不安が募る敗戦となりました。連戦を踏まえ、ターンオーバーを敢行したものの、攻守に機能不全が発生し、憲剛さんと悠様を投入した後半も、時間の経過とともに相手のゴールが遠く感じる苦しい展開でした。

気になったのは、ポゼッション時における「無言」のパスが多かったことです。風間式のパターン化されていないサッカーを表現するためには、選手間のボール交換を通じてコミュニケーションが図られなければなりません。

良い攻撃ができているときは、メッセージ性のあるパスが何本も繋がることで有機的な攻撃が展開することが出来ますが、この日のように意思疎通が図られていない場合は、無機質な横パスがミドルサード近辺を行き来するだけの迫力の欠けた「攻撃のような何か」が展開されています。何をするべきか、どう攻めるべきかに戸惑う様子が痛く伝わってきたので、選手が感じた辛い思いを共有できました。

こうした状況を踏まえると、チーム戦術におけるタスクの整理整頓を今一度見直すこと、各選手のプレー内容に対する軌道修正することが必要になると思います。ピッチ上でチームの一員として戦うために、各選手がすべきこと、周囲の選手たちと連携することを整理してチームとして戦える状態にすることが改善の第一歩だと思います。

また、ブレーキとなってしまった嘉人さんにしろ、フィットまで少し時間が必要なマナブにしても、チームと噛み合っていない部分を修正し、持ち味を引き出せるようにしなければ、勿体ないだけの余剰戦力になってしまいます。

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現在のままでは、昨季に近いレベルまでしかチーム力は高められません。昨年を超えるためには、改めて彼等の力をチームの力に還元することが必要だと思いました。

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以上です。「どうしたものか」と頭を抱え、辛い思いを共有した連敗。チームの基盤が揺らぐなかで、鬼木監督が立て直すことができるのか。中断期間まで残り2試合、1試合を大切にして戦っていきたいところです。

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観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ-浦和レッズ

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5月2日、等々力で浦和戦を観戦。

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試合は、興梠選手の2ゴールで浦和さんが勝利。試合を通じて感じたことは、以下のとおりです。

〇 アップテンポの落とし穴

序盤のハイテンポな攻防を見ながら「飛ばしすぎてはいないか」と感じていました。オリベイラ監督が就任して間もない浦和さんは、前線の選手がボールホルダーに寄せ、中盤で人数をかけて奪うかたちを見せました。これに対して川崎のビルドアップは、浦和の第1プレッシャーラインを剥がし、前線に素早くボールを繋ぎ、決定機を作っていきました。

失点時までの流れが非常に良かったため「先制点を奪いたかった」というのが素直な気持ちですが、アップテンポがゆえに生じた前のめりの姿勢から生まれた細かなミスが失点に繋がったとも考えています。

また、試合を通じて、浦和の各選手の「球際の強さ」を意識したボール奪回の意識が高く、消耗戦の様相を呈したことからも、連続出場が続くメンバーが多い川崎イレブンの動きは時間が経過するごとに重く感じられました。

連敗していた浦和さんの気持ちの入り方を見ると、序盤からプレー強度が求められた試合だったことから、メンバーの連携面を重視した起用自体は間違いではないと思いますが、フレッシュなメンバーを起用して後半勝負の流れに持ち込んでも良かったとも考えられます。見極めは外野から見ても難しいものだったと思うだけに、鬼木監督にとっても、今後も何度かある長期の連戦に向けて活かしてほしいところです。

〇 GK・奈良が生み出した高揚感

交代枠を使い切った後のGK退場という絶望的な状況に陥り、ネガティブな空気がスタンドに漂いましたが、ウェアを着た奈良選手がFKのボールをキャッチした後、大きな歓声が沸きました。

GK未経験の奈良選手の姿が我々を奮い立たせてくれたことで、試合終了まで等々力のテンションは高いままでした。

我々以上に気持ちが落ちた他の選手も交代直後はミスを連発してしまいましたが、徐々に立て直し、終盤は再度押し込む展開を作ることができました。絶望的な試合展開と大きく乖離した異様な高揚感は、スタジアムだからこそ感じられるものであると同時に、観戦者として貴重な経験になりました。

なお、「語ることはない」と述べていたGK・奈良選手が見せた動きは、非常に興味深かったです。高いラインに位置しながら、時折、最終ラインの一角としてボール回しに参加する姿は「偽サイドバック」ならぬ「偽ゴールキーパー」とでも言うべき超革命的な新戦術だったと思います(高揚感で前のめりになりながら)。

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以上です。「こういう日もあるさ」と考えたくなるほど、上手くいかなかった試合ではありましたが、最後まで足掻き続けた皆の思いを胸に、来たるべく多摩川会戦に挑みたいと思います。

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観戦休題:KANSAI CLASSIC 2018

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4月29日、神戸遠征を利用して京セラドーム大阪でオリックス・バファローズソフトバンクホークスの試合を観戦。

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ジェスチャーゲームで「こいのぼり」を表現するバファローブルくん)

遠征の合間を縫った野球観戦が続いていて、読売ファンか怪しまれるレベル(汗)

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(オールドファンから若者までBs SHOPで手に取る人が多く見られた近鉄グッズ)

4月28日からのバファローズとホークスの3連戦は「KANSAI CLASSIC」と銘打ち、近鉄バファローズ・南海ホークスの復刻ユニを着用して対戦しています。

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(『あぶさん』読者の筆者としては南海のモスグリーンとロゴに惹かれる)

復刻ユニホーム着用試合シリーズは人気企画として定着してきましたが、大阪に所縁のある両チームが盛り上げようとする本企画の充実度は非常に素晴らしかったです。

後日開催の西武戦を含め、鉄道を絡めた企画を展開し、選手紹介のVTR・球場メシにも工夫がされるなど、コンテンツの魅力にアクセントを付ける工夫が行われていました。

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(各売店に鉄道沿線メニューを追加。デーゲームにはもってこいの企画)

観戦後に調べたところ、前身となる「OSAKAクラシック」から6年目の企画ということで、コンテンツ力を強化するための継続性の重要性を強く感じました。

巨人阪神の「伝統の一戦」のような構図ではないものの、川崎フロンターレFC東京が繰り広げる「多摩川クラシコ」の位置づけに近いかもしれません。

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(OBトークショーでは、近鉄オリックスで活躍された大島公一さんが来場)

球団売却・合併という経緯を踏まえ、復刻シリーズの展開に難色を示すファンもいるかもしれませんが、個人的には、近鉄・阪急・南海という日本のプロ野球に名を刻んできた各球団の歴史に触れることにより、過去・現在・未来のファンの記憶を繋ぐことが良いのではないかと感じています。

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