ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ-サンフレッチェ広島

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3月31日、等々力で広島戦を観戦。

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約2週間ぶりの公式戦。天候にも恵まれ、満員御礼となったスタジアム内外の雰囲気も非常に良かったです。

試合は、終盤にパトリック選手のゴールで先制した広島が勝利。試合を振り返って感じたことは以下の点です。

 〇 拾えなかった勝ち点

日本代表の欧州遠征後、最初の公式戦。マリ戦で負傷交代となった大島君が欠場、マリ戦およびウクライナ戦に途中出場した悠様もベンチスタートになりました。

代表組を複数人抱えるリスクは久々だっただけに、マネジメント面の難しさを改めて実感する試合となりました。鬼木監督も投入のタイミングを事前に想定し、やり繰りをしながら戦っていたと思いますが、不運な判定にも見舞われ、悔しい敗戦となってしまいました。

一方、川崎にとって「悪いなりに勝ち点を拾う」試合という位置付けの内容であったことは紛れも無い事実です。広島さんの激しいチェイスと堅い守備を上回るには、足りないと感じる部分を多く感じる試合でした。

特に、中断期間を挟むと、川崎の攻撃はテンポが上がらない傾向があるだけに、序盤に何度か見せた決定機はもちろん、速攻のかたちに持ち込んだ時の精度は、要改善事項であると思います。また、ラストパスの精度が低かったり、跳ね返される場面を見ると、複数選手の連携だけでなく、個の力で押し切る側面をもっと意識づけても良いかもしれません。

〇 就任1年目の城福監督が見せた「4年目」の戦い

今季、監督に就任した城福監督が率いる広島さんは、川崎戦を迎えるまでの経緯を踏まえても、監督自身が志向するスタイルは構築段階であり、現時点では現実的な戦い方で結果を残す戦いを選択している印象を受けていました。

実際、広島さんと対戦した感想としては「半分は正解、半分は誤解」と思います。たしかに、結果を残すためのアプローチを選択しているとは思いましたが、チーム構造は2つのフレームの「再現」であると強く感じさせられました。

1つは、城福監督が3年間率いた甲府時代の戦い方です。甲府時代の城福監督は、守備に重きを置いた戦術でJ1をサバイバルしてきました。

この試合で見せた、コンパクトな陣形で連動した守備でボール保持者に絶え間なくプレッシャーをかけ続けるアプローチは、2014年に手痛い敗戦を喫した山梨中銀スタジアムの試合を思い出しました。

また、監督就任までの広島さんの編成において、柏選手・佐々木選手・稲垣選手・パトリック選手と甲府時代を知る選手が集まっていたことも、試行錯誤が続くチーム作りの中で助けになったかもしれません。

もう1つは、森保監督時代に3度の優勝を達成した広島のディティールです。 

森保監督は、ミシャ監督時代の攻撃サッカーに素早い守備ブロック形成に代表される守備組織の徹底化で連覇を達成し、2016年もドゥグラス・浅野といった前線を活かした新たな攻撃ユニットを駆使して年間王者に輝きました。

多くのメンバーが去ったものの、優勝の中核を担った青山選手をはじめ、当時を知る選手もいます。ネガティブトランジション時の素早い帰陣、終盤で見せた最終ラインからのパス交換にみた局面の繋ぎ、攻守に存在感を見せる青山選手の献身性など、監督交代を経ても失われなかった部分ではないかと。

前述の城福監督のアプローチ、川辺・ティーラシン選手の攻撃の新戦力との融合により、引き続き、リーグ戦を牽引する可能性を大いに感じる対戦となりました。

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以上です。勝利は次の勝利のダイナミズムを生むように、敗戦から勝利を掴むのは大変なことです。だからこそ、1つ1つの試合を大切にして戦っていきたいと思います。

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観戦記:明治安田生命J2リーグ・東京ヴェルディ-アビスパ福岡

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3月21日、極寒の味スタで東京ヴェルディのホームゲームを観戦。

昨季の昇格プレーオフに進出した両チームの対戦は1-1のドロー決着。試合を振り返って印象に残ったのは以下の点です。

ヴェルディが示した「位置的優位性」

試合を見ていて気になったのは、ヴェルディの各選手の位置取りです。

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両サイドの選手はライン際に位置し、試合が推移する中でも同じ位置に戻り、同じようにボールを受けることが徹底されていました。

一方、インテリオールに位置する渡辺・井上両選手は、サイドと中央の間=ハーフスペースでボールを受ける場面が何度も見られ、特にスタメン出場を続けている渡辺選手のポジショニングは非常に良かったです。

個人的に興味深かったのは、各選手が位置でプレーすることで、縦横ではなく、ダイアゴナル=斜めのパスが多用されていたことです。自陣からのビルドアップ時、最終ラインを出発点に横幅を使いながら、ザックリ言えば「ジグザグ」とボールを動かすことにより、圧力を受けずにボールを敵陣深くまで運ぶことができました。

また、自分がプレーする位置を正しく理解することは、選手間の距離の調整、攻守の素早い切替の手助けになると感じました。ボール保持率を維持すること、守備時には連動した動きでプレスをかけることができる、サッカーファンの間で話題となっている「ポジショナルプレー」における「位置的優位性」を垣間見た気がします。

ただし、攻守において「質的優位」の部分ではアビスパの選手に局面で上回れなかった印象があります。少し前であれば、杉本選手(現・徳島)のドリブル突破のような個人の武器を活かせるようになれば、チーム力はさらに向上するのではないかと。

〇 攻撃の型を構築中のアビスパ

一方、アビスパについては、昨季は昇格まであと一歩という位置で終えただけに、今季も昇格候補に挙がるチームではありますが、攻撃の柱として機能していたウェリントン選手をはじめ、亀川選手・三門選手・富安選手といった中心選手が移籍する等、陣容の変化があるため、攻守にベストミックスを模索している段階である印象を受けました。

特に、攻撃の部分は、ターゲットマン不在(森本が該当しないことは川崎サポとして十分理解している)であるため、従来のロングボールを活かしたアプローチではなく、自陣から繋いでいく地上戦を想定した戦い方を目指しているように見えました。

ドゥドゥ選手のように1人でボールを運んでフィニッシュまで持ち込める選手、局面で驚異的な決定力を発揮できる森本選手など、新たに加入したタイプの異なるアタッカーをどう組み合わせるのか、鈴木惇選手を中心とする中盤がどのようにボールを動かしていくのか、この部分の整理が当面の課題になるのではないでしょうか。

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以上です。昨年同様のJ2の混沌さを把握するとともに、今後の観戦意欲も高まる試合でした。とはいえ、今日みたいに寒さは勘弁してほしいですね。

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観戦休題:2018年の上原浩治、2000年の東京ドーム

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3月20日、有給明けの会社での業務を終えて東京ドームでオープン戦を観戦。

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東京ドームに入った瞬間、数年前のクライマックスシリーズにタイムスリップしたような光景が目に飛び込んできました。オープン戦とは思えないほど、超満員の観客の熱気が場内を包み込んでいたからです。

〇 2018年の上原浩治

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熱源は、メディアを通じて登板が予告されていた上原浩治の存在です。

オーロラビジョンに「Welcome Back」の文字とともにアナウンスが告げられた背番号11は、ファイターズの下位打線を無失点に抑え、超満員の観客の期待に応えるかたちで復帰登板を終えました。まだまだ本調子とは言い難い内容ではありましたが、テンポの良いピッチングを見ていて、実感がわきました。

上原浩治を初めて見た20世紀最後の夏

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筆者は、上原浩治をめぐる異様なフィーバーぶりを見ながら、2000年の夏休みに観戦した試合での出来事を思い出しました。

前年(1999年)に20勝をあげるなど新人ばなれした活躍をあげた上原でしたが、2年目は苦戦が続き、ローテーションを外れる時期もありました。そんな中で「上原が東京ドームで開催されるイースタンリーグの試合に調整登板する」というニュースを耳にすると、予備校も部活も無かった(サボっていないことを強調)高校生の筆者は「上原のピッチングを生で見たい」の一心でドームに駆けつけました。
当日券を買い求める長蛇の列に加え、イースタンリーグなのにダフ屋まで登場するほどの球場前の熱気、何とか当日券を手にして入った球場の客席がドンドンと埋まっていく光景は今でも忘れえない光景です。
丁度、この時の対戦相手もファイターズ。ジャイアンツは先発した上原に続き、斎藤雅樹木村龍治といった一軍クラスの投手による豪華リレーが展開され、9回に登場した内薗も150キロの速球で観客の度肝を抜きました。

結局、内薗が勝ち越し点を与えて試合には敗れたものの、当時はテレビでしか見れなかったスター選手をこの目で見たことに感動していました。自分の観戦経験の中でも最も印象に残った試合の1つです。

◯ 大きすぎる期待から垣間見えるもの

2000年のイースタンリーグで約3万人の観客を集めた上原は、2018年のオープン戦で最多動員記録となる4万6000人を呼び込みました。

MLBでも世界一を達成した平成のジャイアンツを代表する投手の電撃復帰は、自分の想像を遥かに超えるインパクトを与えたのだと実感するとともに、ここ数年のジャイアンツに「客を呼べる選手」が不在であったことを裏付ける試合にもなりました。

正直、年齢・復帰した日本球界の順応等を踏まえると、彼に対する期待は若干「大きすぎる」とも感じています。しかし、近年のチームの動向等を踏まえると理解できる部分も非常に大きい。

2014年のCS敗退後、編成に係る一貫性の欠如や世代交代の遅れが響き、チーム成績は下降線をたどり、所属選手の野球賭博問題、球団を巡る騒動の余波で一番の歓声を集めていた高橋由伸の引退、とにかく暗い話題が多かったです。筆者も含めて、過去のゴタゴタも経験しても見続けてるファンは今更見捨てはしないものの、チームに対して「明るい未来が見えてきません」(KENSO風)状態だったと思います。

球団ファンにとって上原浩治の復帰は、眩いほどに明るい話題だったと思います。スター選手の存在は、現状に向き合うファンに希望を与えたからこそ、球場に失われつつあった熱気を呼び覚ましたのではないでしょうか。そうした熱狂の先にあるものは栄光か?挫折か?選手たちの「奮輝」に期待したい。

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観戦休題:ウェスタンリーグ・中日ドラゴンズ-広島東洋カープ

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3月18日、豊田スタジアムの試合前にナゴヤ球場に寄り道。一足先に開幕したウェスタンリーグの試合を観戦。

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初めて足を運んだ球場に加えて、ウェスタンリーグも初観戦。 

今回の観戦のヒントとなったのが、プロ野球のの球場メシを題材に扱った異色のグルメマンガ『球場三食』のエピソード。

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(作中にも登場したナゴ球パスタ・あんかけソース。600円)

本書のエピソードと同様に、名古屋グランパス戦の時期に親子ゲームを開催していることを確認し、時間帯も考慮に入れてナゴヤドームではなくコチラを選択。

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巨人ファンとしては「国民的行事」と言われた伝説の10・8決戦、96年のメイクドラマ完結の舞台となった野球史における史跡のような場所であり、モーニング娘。が5万枚のシングルを完売してメジャーデビューが決定した聖地でもある(笑)

ナゴヤ球場と言えば「世界の飲料 チェリオ」などの広告のイメージもありましたが、今は改修等が行われてシンプルな作りになっていました。自分が観戦したネット裏は非常に見やすく、一軍の試合も同時開催されている中でナゴヤ球場に駆け付けたファンの気持ちもよくわかります。

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(メンバー表交換後、ファンの歓声にこたえるドラゴンズ・小笠原監督)

ドラゴンズ二軍を率いるのは小笠原道大監督。気が付けば監督3年目のガッツ監督、ファンからの歓声も聞こえるなど人気は絶大。

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一方、対戦相手となるカープは、一軍級の野手の面々の中にドラフト1位・中村選手が捕手で先発。

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(ルーキーながら堂々としたスタンスで力強いスイングを見せたカープ・中村選手)

彼が生まれた年にはナゴヤドームに移転していた事実を踏まえると、歴史の流れを感じてしまった。

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(ドラゴンズの先発・吉見投手はイニングを重ねるごとに安定。7回無失点)

試合は、4回裏にバティスタのタイムリーエラーを機にドラゴンズが一挙に5点を奪い、吉見-山井-佐藤の3投手の完封リレーでドラゴンズが勝利。打撃では高卒2年目の石垣選手、守備では捕手で出場した佐藤選手の強肩が光った。

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(難病を乗り越えたカープ・赤松の登場には両チームファンから拍手)

一方、カープは名のある選手が顔を揃えたものの、イニングを重ねるごとに安定してきた吉見を打ち崩せず。先発・福井もエラー絡みとはいえ、一気に崩れてしまった4回のピッチングを見ると一軍ローテ入りは難しそうな雰囲気。

注目された中村選手の安打、3番手の長井投手の快速球(最速152キロ)、得点圏に進んでからの代走・赤松選手の登場は好材料だったのではないでしょうか。

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歴史を重ねる中で球場の風景も変化していくものだと思いますが、数々の歴史を紡いだ場所に足を運べたのは良い思い出になりました。今季も合間を見て野球観戦の幅を広げるために、様々な球場に足を運びたいと思います。

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サウナ訪問記:名古屋市中区・サウナ&カプセルホテル ウェルビー栄

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アウェイ遠征で足を運んだサウナの感想を書く謎企画(2回目)。今回は名古屋ということで、サウナ愛好家で知らぬ人はいない「ウェルビー栄」を訪問。

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栄駅から徒歩圏内にある店舗、看板のネオンですぐ見つけられます。本店舗に限らず、駅周辺に店舗を構えるサウナの多くは看板等が目立つので見つけやすくて助かります。

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ウェルビー栄の推しポイントは「森のサウナ」です。

サウナ大使を務めるタナカカツキ先生の『マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~』の作中でも推薦されている「森のサウナ」は、サウナの本場・北欧スタイル。窓からのわずかな光が頼りとなる暗い室内は、セルフロウリュ+ヴィヒタを堪能できる。筆者が入った時間帯は入浴客が少なかったので、大変素晴らしい森のサウナを貸切状態で利用。自主的に追加料金を払いたいと思わずにはいられない満足度です。

一方、オーソドックスな「高温サウナ」は寝そべることもできる広々とした空間で快適そのもの。ゆったりとした空間のため、時間を忘れて長居できてしまう(少々危険)

13時から1時間おきに開催されている「ストレッチロウリュ」が非常に良かったです。ストレッチを事前に行うことで、熱波師が繰り出す熱波の効果が高まる。もちろん、申し分のない熱波の圧で終了後の拍手には気持ちを込もってしまいました。参加した回数分だけ追加料金を払いたい(謎の課金精神)。

最高すぎるウェルビー栄、宿泊したので外出も可能だったのですが、チェックアウトまでの間、サウナと休憩(就寝・朝食を含む)をループし続けていました(笑)

なお、名古屋市に3店舗あるウェルビーグループは名古屋グランパスさんのスポンサーとのこと(豊田スタジアムで知った)。

調べてみると、昨年はコラボイベントを実施していたり、小川選手・高木選手・田口選手等、グランパス所属時に足を運んだ選手も結構いるとのこと。ただし、店内に飾ってあったユニはFC岐阜(汗)

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観戦記:明治安田生命J1リーグ・名古屋グランパス - 川崎フロンターレ

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3月18日、豊田スタジアムで名古屋戦を観戦。

試合は、途中出場の嘉人さんの貴重なゴールを守り切って勝利。試合を振り返って考えたことは以下の点です。

◯ 愛しさと切なさを胸に秘めて
フロンターレが、過渡期を乗り越え、再びタイトル争いに絡めるまでチーム力を高めることができたのは、確固たるフィロソフィーを持ち、その姿勢を貫き続けた5年間に及ぶ風間前監督の成果だと思います。
正直、美化できぬほど、苦しい思いも何度も重ねてきましたが、風間さんの志向するサッカースタイルに魅了され、強い愛着を覚えていたからこそ、耐えることができました。

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だからこそ、CSに進出し、天皇杯決勝に到達した2016年は「風間さんとタイトルを取りたい」という強い思いを持って臨みましたが、タイトルを奪うことができませんでした。風間さんと優勝の歓喜を分かち合うことができなかったことが心残りではありました。

2017年、鬼木監督は、風間さんのスタイルにプラスアルファを加えることにより、より強いチームを作り上げ、川崎フロンターレにとって初めてのタイトルであるリーグ優勝をすることができました。一方、風間さんが新たに指揮することとなった名古屋グランパスの動向も年間を通じてフォローし続けていました。おそらく、私に限らず、多くの川崎サポがグランパスの試合を見て、チームの成長を追いながら、多くの考察を重ねていたのではないでしょうか(汗)
こうした経緯を経て臨んだ昨日の試合は、対戦相手の指揮官として対峙することとなった風間さんに対する愛しさと切なさを抱えた試合となりました。
◯ 鬼木フロンターレの真骨頂

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試合前の見立て通り、同じ遺伝子を持つチーム同士の対戦だけあって、強みとなる部分は全く同じでした。ボールを保持し、ボールを繋ぎ、ゴールを奪いにいく「我々のサッカー」を押し出していました。
ジョー選手のタッチの柔らかさや狙いどころでの動き出しはゾッとするものでしたし、シャビエル選手のテクニックを駆使したアタッキングは脅威であり続け、キレ味抜群の青木選手の突破からのシュートは強烈でした。
ハイテンポの一進一退の攻防の中で、川崎が名古屋に勝ち切れたのは、現時点のチームの完成度の部分と、鬼木監督が1年間かけて積み上げた戦い方があったからだと思います。
イコールコンディションではない中、メンバーを入れ替えながらチームの運動量を落とすことなく守備に追い続け、球際のは粘り強く対応することで相手からボールを奪い、相手にボールを奪われずに戦うことが出来ました。苦しい時間帯は焦れずに辛抱強く戦う部分を、意識ではなく、このチームに求められる基準として定着させたことが改めて感じさせる試合だったと思います。
◯ 谷口の闘気、ノボリ流刀殺法
また、ガンバ戦に続いて採用されたディフェンスラインの並びが名古屋の攻撃に対して有効だったと思います。ジョー選手は車屋・谷口の両CBが上手く対応したのに加え、シャビエル選手をノボリが対応することで攻撃の起点を封じることができたのは大きかったと思います。
谷口選手は攻撃時のビルドアップも光りましたが、ラストプレーの寿人選手のシュートを防いだような気迫のこもったプレーも目立ちました。最近のコメントなどを拝見するとディフェンスリーダーの意識を強く感じていましたが、闘志あふれるプレーはそうした姿勢を強く表していたと思います
また、車屋選手の左SB定着により昨季は中盤起用が続いたノボリ選手でしたが、風間さんに早い段階から見出されたボールを扱う技術に加えて、上海上港戦のフッキ封じで見せたような運動量を駆使した粘り強いプレッシャーで脚光を浴び、車屋先生とのコンビでシャビエル選手を中央からサイドに押し込むかたちを作ることができました。
川崎サポにはノボリが「ジャックナイフ」と言われていたことを知る人は少なくないなと思いますが、最近の活躍ぶりを見ると数々のナイフの使い方=刀殺法を身につけたことを実感させられます。活躍に期待したいところです。

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以上です。開幕前、昨年タイトルを取ったからこそ、今年は「証明」しなければならないと考えていました。だから今日は積み上げたモノをぶつけて勝たなければならない、という気持ちで臨みました。
風間監督率いる名古屋さんを対峙して「チームの成長が止まった瞬間に衰退が始まる」と強く感じるほど、大きな刺激を受けました。
次に対戦するときに勝つためにも成長し続けなければならないと強く誓う試合だった。応援してて超キツかったけど!超面白かった!

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観戦記:JFL・FCマルヤス岡崎 - 東京武蔵野シティFC

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3月17日、名古屋港サッカー場にてJFLFCマルヤス岡崎さんのホーム開幕戦を観戦。

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自分がマルヤスさんの試合観戦をするのは2度目となります。

真夏の昼間に開催された試合で受けた強烈なインパクトを受けて、是非再訪したいと考えていたところです。

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(ライン上にボールを走らせた大村知事のキックイン)

試合前には大村愛知県知事が登場。キックインセレモニー&集合写真。

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余談であるが、筆者は神奈川県知事をホームゲームで見たことがない(汗)

〇 序盤戦ならではの「模索」のゲーム

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(先制点はマルヤス。右突破からゴールまでの流れは素晴らしかった)

試合は、マルヤスがサイド突破から杉本選手のゴールで先制した後、武蔵野シティがFKで同点に追いつき、後半早々に逆転に成功。

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(後半勝ち越しに成功した武蔵野。後半の早い時間にリードを奪ったことで試合を優位に進めた)

芝が少ないミドルサード、バウンド等のクセの強いピッチコンディションの影響からか、両チームともボールコントロールに苦戦。序盤からロングボールを選択する場面が多く、試合を通じて落下点での回収率が試合のポイントになった印象。この点では、試合を通じて武蔵野のほうが優勢だったように見えました。

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また、勝ち越し後の武蔵野は、前半に見せた前線からハメるアプローチから待ち構える守備に軸足を置き、攻守の切り替えが遅くなったマルヤスの守備を突くカウンターで追加点を狙いにいき、押し込むかたちを作れていたかと。

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(3人目の交代で木島選手を投入。彼のプレーを会場で見たのは町田所属時以来)

一方、マルヤスも相手のカウンターを凌ぎ、前線に厚みを持たせて同点を狙う姿勢を見せました。讃岐から加入した木島良輔選手が途中出場で前線に入ると、動き出し、駆け引きの部分でベテランならではの持ち味を見せたものの機会を多く作ることができず、同点ゴールを奪うことはできず・・・。

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(試合は武蔵野が勝利。終盤に決定機を作ったマルヤスだが一歩及ばず)

しかしながら、タイプの異なる前線の攻撃陣を活かしたサッカーを展開できる、そんな可能性を感じる試合でした。

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〇 「楽しい」を伝える雰囲気作り

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自分が勝手に考えるJFLの魅力は、こうした競技面の生々しい攻防にフォーカスできるところだと思います。選手たちの声に耳する機会も多くなりますし、観客の声もまた応援とは違ったリアクションが伝わってきます。自分のチームだと応援をすることに集中してしまいがちなので、サッカー観戦の魅力を掘り下げようとするときに良き指針であり続けています。

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(スタジアムDJ・イケザえもん氏が手がける MDP・マルヤス岡崎蹴球新聞

それに加えて、マルヤスの試合を盛り上げる人々は「試合を楽しもう」というスタンスを前に出していきます。限られたハード面の条件を補う工夫は素晴らしいと思います。

「声のファンタジスタ」スタジアムDJのイケザえもんさんの選曲によるナンバーがスタジアムに響き渡り、若きコールリーダー・CoCoさんがリスペクトとパッションの入り混じったコールリードでスタンドに活気を与える。

筆者が楽しみにしていたマルヤスならでは雰囲気を堪能することができました。

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(若きコルリダはリスペクト精神と熱きパッションでスタンドを鼓舞する)

喜怒哀楽の感情が交差するのが観戦ですが、何かしらのかたちで「楽しいもの」を残すことができれば、次に繋がることができる。活気あるスタジアム作りにおける重要な視点ではないかと。そんな大切なことを教えてくれるチームの試合に、また足を運べればと思います。

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