ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:天皇杯・川崎ブレイブサンダース‐アルバルク東京

f:id:y141:20170109092738j:image

昨日も、代々木第一体育館オールジャパン2017(全日本総合バスケットボール選手権大会)を観戦。

f:id:y141:20170109092810j:image

男子の準決勝には、川崎ブレイブサンダースが登場。目標としている優勝目指し、昨年末に激闘を繰り広げたアルバルク東京と対戦。

f:id:y141:20170109092843j:image

試合は、バチバチとした展開。A東京はギャレット選手、ギレンウォーター選手を中心とする個の力を駆使して得点を重ねる一方で、非常に集中した守備を展開。

川崎は、インサイドになかなか浸入できず、攻撃の軸とも言える辻選手やファジーカス選手へのチェックも厳しいこともあり、逆に自分たちの得意の形に持ち込めませんでした。その状況を打開したのは、栗原選手のスリーポイント。攻めあぐねる中の栗原選手の連続ポイントで同点、逆転に成功してリードを奪って前半を終えることができました(前半はチーム最多タイの11得点をマーク)。

f:id:y141:20170109092939j:image

しかし、第3ピリオドに、ギレンウォーター選手のアンスポーツマンファールを巡る対応で不備が発生し、川崎のフリースローが取り消しになったところから潮目が変わり、息を吹き返したA東京に再度逆転を許します。どの競技にも言えることですが、試合の流れや勢いというのはコロコロと変わるものであり、バスケはその変化が特に激しいなと観戦するようになって感じたところです。不運もありますが、その機会を逃さずに追い付き、突き放したA東京も流石と言ったところ。

川崎にとっては、非常に嫌な流れを変えた雰囲気を変えたのは藤井選手でした。第3ピリオド終了直前に相手のボールを上手く奪ってから速攻で得点を挙げて、勢いを取り戻す反撃の狼煙を上げてくれました。この試合に限らず、藤井選手はチームの悪い流れを断ち切るプレーをよく見せてくれることから、コートに入ると期待してしまいます。

f:id:y141:20170109093019j:image

ビハインドした状態ながら第4ピリオドの川崎は、焦れることなく、手堅くも確実なアプローチで逆転に成功します。堅い守備とディフェンシブリバウンドでボールを保持し、ビッグプレーに頼らず、ファウルからのフリースロー等で得点を重ねて逆転。この辺の手堅さに月並みながら「勝負強さ」を感じました。

f:id:y141:20170109093113j:image

まさにチームの「全員力」で掴んだ逆転勝利は大変素晴らしかったです。決勝は勢いのある千葉ジェッツですが、「川崎ブレイブサンダース」としての初タイトルを期待しております。

f:id:y141:20170109093126j:image

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

観戦記:皇后杯・シャンソン化粧品 シャンソンVマジック‐富士通レッドウェーブ

f:id:y141:20170108092237j:image

(ライブを含めて久々の代々木第一体育館

昨日は、代々木第一体育館オールジャパン2017(全日本総合バスケットボール選手権大会)を観戦。

f:id:y141:20170108092306j:image

女子の準決勝・第2試合には、かわさきスポーツパートナー・富士通レッドウェーブさんが登場。第1試合で勝利したJX-ENEOSサンフラワーズが待つファイナルの切符をかけてシャンソン化粧品 シャンソンVマジックさんと対戦。

f:id:y141:20170108092339j:image

(試合開始前の両チーム。両チームともベンチを含めた一体感がありました)

試合は、一進一退の攻防。両チームとも攻守の切替が素早く、序盤から得点が動かない、堅い試合展開になりました。両チームとも24秒を目いっぱい使っていることからも、相手に対して厳しいプレッシャーをかけていたことが伺えます。

f:id:y141:20170108092454j:image

(試合後、インタビューを受ける富士通の司令塔・町田選手)

前半の富士通は相手シュートからのリバウンドをしっかり奪い、10番・岡田選手(G)を中心に攻撃を展開。相手の壁をこじ開けて得点を奪い、相手に逆転を許し、リードされた場面でもフリースロー等で確実に点を積み上げて追いついてきました。

f:id:y141:20170108092417j:image

(第4ピリオド前の風景。出だしの攻勢で富士通がリードを広げた)

試合が大きく動いたのは第4ピリオド。富士通が序盤の攻勢でリードを広げます。特に、0番・長岡選手(CF)が相手のプレッシャーをものともせず、得点を重ねて相手の3ポイントによる粘り強い追撃を再度突き放しました。また、前からボールを奪いに来る相手を飛ばすような長い距離のパスを駆使した速攻、前半からなかなか決まらなかった3ポイントで得点を挙げるなど、重みのある得点をしっかり決めてきたのは非常に大きかったかと。

f:id:y141:20170108092430j:image

(最後まで気が抜けない良い試合でした)

素直に緊張感のある良い試合でした。決勝の対戦相手・JX-ENEOSサンフラワーズも4連覇を狙う「絶対女王」とも言える非常に手強い相手ですが、頑張ってほしいところです。

f:id:y141:20170108092444j:image

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

観戦記:天皇杯・鹿島アントラーズ‐川崎フロンターレ

f:id:y141:20170102115246j:image

昨日は、吹田スタジアム天皇杯・決勝戦を観戦。

f:id:y141:20170101141118j:plain

(この日もマイア選手はベンチ入り。一緒に戦ってくれました)

試合は、延長前半にファブリシオ選手のゴールで勝ち越した鹿島さんが優勝。天皇杯のファイナルに初進出した川崎でしたが、惜しくも準優勝に終わりました。試合を振り返り、感じたことは以下の通りです。

 

1.互いの「スタイル」をぶつけた試合

f:id:y141:20170102115303j:image

(延長戦開始前の両チーム。川崎側は選手の疲労度がかなり大きく見えた)

今季、鹿島さんとの対戦は4度目。過去3試合は1勝1敗1分と五分ではありますが、試合内容は3試合とも鹿島さんに圧倒されました。特に、チャンピオンシップ準決勝では自分たちが体現してきたサッカーを全く表現できずに敗戦を喫しただけに、ショックが大きかったです。

y141.hatenablog.com

その意味でも、今季の対戦では、初めて自分たちのスタイルを真っ向からぶつけることができたと思います。球際の強さと攻守の切替を徹底し、堅い守備で隙を作らせない鹿島さんのスタイルに対して、自分たちが積み上げてきた技術を駆使した攻撃のアプローチで攻略する川崎のスタイルの攻防は、見応えのある内容だったと思います。1点ビハインドで迎えた後半45分の攻防は、声を張り上げて(喉が潰れてしまいました)応援しながらも、両チームのプレーにテンションが上がりました。

悠様が復活を感じさせる素晴らしいプレーを連発したかと思えば、ペナルティエリアでシュートをはじき返す鹿島ディフェンス陣も凄かったと思います。まさに、異なる哲学=スタイルを積み上げてきた鹿島と川崎だからこそ織りなせる試合展開だと思います。

2.「勝負強さ」とは舞台に立ち続けることで評価される

f:id:y141:20170101175039j:plain

(表彰台に立つ川崎イレブン。この位置に初めて立った選手も多い)

19冠目を手にした鹿島さん、日本サッカー界の白銀聖闘士・川崎。当事者として申し上げれば、この試合に関しては鹿島さんを評するために持ち入れられる「勝負強さ」とか「勝者のメンタリティ」といった表現は関係なかったと思いますが、経験値の差は少なからず影響していたと思います。

振り返ってみれば、川崎は本大会では初の決勝進出ですが、ファイナリストになること自体が久しぶりです。時間を経て、ようやく「勝負強い・弱い」と評価されるだけのステージに再び上がることが出来たのだと私は考えています。

f:id:y141:20170101142029j:plain

(厳しい「勝負」の場に立ち続けていることが鹿島さんの「貪欲さ」の源泉に繋がっている)

特に、鹿島さんのように数々の歓喜と悲哀の双方を積み上げてきたクラブを対峙する以上、我々も出来る限り「勝負」し続ける舞台に立って経験を積まねばならないと思います。その意味でも、敗戦を踏まえて、継続して結果を残すことの重要性を感じさせてくれたと思います。

3.地域の「熱狂」を「誇り」に変えるために

この日、武蔵小杉駅前の「こすぎコアパーク」でも多くの人が集まり、チームに声援を送られていたと聞きました。イトーヨーカドー武蔵小杉店の店長さんをはじめ、多くの方の力添えもあって、スタジアムに留まらず、地域を巻き込んだ盛り上がりを作ることが出来たことは今シーズンの大きな成果だと思います。

クラブ創設20周年の2016年は「地域に名前を覚えてもらう」ステージから「地域を熱狂させる」ステージに到達したことを実感させられるシーズンになりました。サッカーどころではない川崎という街にとって大きな手応えと財産になると思います。しかし、結果として我々は何も得ていません。こうした人々の声を耳にしたことで、改めてタイトルという結果を残さねばならないという気持ちを強く持たせてくれます。そして、「地域の誇り」と言われる存在になりたいです。

f:id:y141:20170101175106j:plain

以上です。敗戦したことに対する悔しさは相当なものです。しかしながら、「我々のサッカー」を出し尽くした末の結果だけに胸を張って受け止めることが出来ます。「こんなことになるなら決勝まで行かなければよかった」と考える人もいるかもしれませんが、今の自分たちの力をぶつけられたからこそ見えてきたモノ、そして未来への期待も少なからずあったと思います。

f:id:y141:20170101180203j:plain

新たなチームの柱を育てながら強化を進めるという難しい課題に取り組んでくれた風間監督、チームを牽引し続けてくれた嘉人さんには感謝しかありません。

f:id:y141:20170101175959j:plain

2人がチームに残してくれたレガシーを下地に鬼木新監督とともに、一歩ずつ歩んでいければと思います。

f:id:y141:20170102115330j:image

今シーズン、お疲れ様でした。また、来シーズンも頑張りましょう。

にほんブログ村 サッカーブログ 川崎フロンターレへ
にほんブログ村

観戦記:天皇杯・FC東京‐川崎フロンターレ

f:id:y141:20161225082725j:image

昨日は、味スタで天皇杯の準々決勝を観戦。

1か月ぶりとなる公式戦は、嘉人さんとエウソンのゴールで川崎が勝利。試合を通じて感じたことは、以下のとおりです。

 

1.「我々のサッカー」をもう一度

CS準決勝の敗戦から約1か月、その間に鹿島さんのCS優勝とCWCでの快進撃を目にしてきました。Jリーグで最も多くのタイトルを手にしてきたクラブが積み上げてきたモノの底力を感じさせる試合を見ながら、彼らのように大切な試合を勝つために、我々が足りないものは何だったのか、それを自問自答する日々でした。

この日の試合が始まって展開された川崎イレブンの姿勢を見て、答えが見えました。圧力に屈しることなく、ボールを繋ぎ、果敢にゴールを目指していく「我々のサッカー」を思い出させてくれました。

準決勝の鹿島戦で私が「悔しい」と思ったことは、自分たちが積み上げてきたスタイルをピッチ上で上手く表現することが出来なかったことです。大島君は間に合いませんでしたが、憲剛さん、悠様、ノボリが戻ってきたことで、「スタイルを貫く」姿勢を今一度強く押し出せたことは、試合勘も含めた難しい試合の立ち上がりの中で大きかったと思いました。

2.ノボリの帰還

この日の試合で印象に残ったのはノボリです。この日は前線の一角として久々のスタメン出場となりましたが、攻守に躍動感のあるプレーを見せてくれたと思います。

特に、この日の川崎イレブンは、前線からのプレス、攻守の切替の素早い帰陣に見られるようにハードワークの意識が高かっただけに、彼のプレーはまさに良い意味で模範的と言いますか、スタンダードを示してくれました。

また、川崎の陣形に対して、大外や3バックの間を突く攻撃を仕掛けてきたことからも、ノボリの集中した守備意識に大きく助けられました。90分フルは大変かもしれませんが、彼がスタメンを張ることで三好選手をインパクトプレーヤーとして投入できることからも、継続して起用できれば良いかなと思いました。

3.ディフェンス陣の「強さ」

川崎が主導権を握る時間帯を長かったと思いながらも、前半から危ない場面は何度も迎えてきました。例えば、中島選手の代名詞でもあるアグレッシブな姿勢からのシュートには驚異を覚えましたし、終盤の平山選手の高さには最後の失点場面に限らず、怖さしかありませんでした。

それでも踏ん張ることができたのは、ソンリョンさんを中心とする守備陣の粘り強い対応だったと思います。中島選手と田坂選手のバチバチとした競り合いは見応えがありましたし、3バック中央に入ったエドゥアルド選手も監視の目を光らせ、ゴール前に送り込まれたボールを何度もはじき返して窮地を救ってくれました。そして、復帰直後は怪我の影響が見られたソンリョンさんも安定したセーブやキックを見せていただいたので、落ち着きをもたらしてくれました。

堅守とは言えないものの、今季戦ってきた中で見せてきた要所での「強さ」が見られたことは、難しい試合となる次戦に繋がるものだと思います。

f:id:y141:20161225082803j:image

以上です。久々の公式戦は何というか「総集編」のような展開。平山選手にゴールを奪われた瞬間、色々な記憶が頭によぎりましたが集中力を高めて応援できました。

f:id:y141:20161225082854j:image

嘉人さんが「川崎の嘉人」として、風間さんが指揮する「風間フロンターレ」として、戦える時間を少しでも増やしていきたいという思いはもちろん、試合前・後に歌われたアルトゥール・マイア選手のチャントには、心に響くものになりました。僕らの仲間だったマイアに天国から見てほしい。僕らは彼への思いを胸に戦っていく。

FOOTBALL TOGETHER

にほんブログ村 サッカーブログ 川崎フロンターレへ
にほんブログ村

観戦記:皇后杯 第38回全日本女子サッカー選手権大会 準決勝

f:id:y141:20161223113913j:plain

昨日は、西が丘で皇后杯の準決勝を観戦。今年の準決勝は、今季2冠の日テレベレーザ、昨年の同大会で澤さんの劇的ゴールで優勝したINAC神戸レオネッサ、準優勝・アルビレックス新潟レディース、最近4大会で3回のベスト4進出となるベガルタ仙台レディースの4チームが駒を進めました(何気に昨年と同じ4チーム)。

f:id:y141:20161223120104j:plain

第1試合の日テレと新潟Lの対戦は、前半のベレーザの決定機を凌いだ新潟Lが後半早々に八坂選手のゴールで先制。追いかける展開となったベレーザは阪口選手を最前線に配置してゴールを狙いましたが、最後までネットを揺らせず。

f:id:y141:20161223131317j:plain

相手の決定機は作られる場面は少なくありませんでしたが、前線からプレッシャーをかけていく新潟の積極的なアプローチが実を結んだかたちになったと思います。

f:id:y141:20161223132600j:plain

特に、終盤のベレーザの攻勢に対してもベタ引きするのではなく、コンパクトな陣形を出来る限り維持して対応したのが良かったと思います。

f:id:y141:20161223131605j:plain

一方、ベレーザは、ポストプレー等の「高さ」の部分で最後まで新潟と競り勝てなかったため、割りきったロングボールが有効に生かせなかったように見えました。この点は、フィジカルも含めた強さ・高さは、ベレーザの数少ない課題ではあります。今後もその点を技術、運動量等で補うのがベレーザらしいかなと思いますが、今後のなでしこリーグを見ていくうえでも注視できればと思います。

f:id:y141:20161223135346j:plain

新潟は2年連続4度目の決勝進出。奇数年のジンクスを何気に打ち破りましたね。

f:id:y141:20161223143503j:plain

第2試合のINAC神戸と仙台の試合も激闘になりました。前半はGKの判断ミスを突いてINACが先制するものの、後半は仙台が猛攻でゴールに迫る展開。

f:id:y141:20161223164402j:plain

西が丘に駆け付けた仙台サポーターの熱い声援が後押しし、川村選手のゴールで同点!

f:id:y141:20161223165743j:plain

延長戦に突入した試合は、前・後半にINACが1点ずつを加点して勝利。二連覇に王手をかけました。この辺の強さには、流石といったところでした。

f:id:y141:20161223164321j:plain

仙台は設立5年ながら、上述のとおり、本大会3度目のベスト4進出と実績を残してきました。さらに言えば、メンバー等も変わりながらも、あと一歩のところまで追いつめるまでにチームとしての力を付けてきたと思います。なでしこJAPANに選出された佐々木繭選手のように力のある選手がクラブの中で育ち、名をとどろかせることを踏まえると、徐々に女子サッカー界の底上げが進んでいる印象は感じています。

f:id:y141:20161223171020j:plain

そんな仙台の勢いを止めて、激闘を制したINACも素晴らしかった。特に、道上・増矢・京川といった若い選手たちが良い仕事をしていたこと、さらに杉田選手のように新しい世代の選手たちも続いており、少し前に感じていたINAC=代表選手のような雰囲気からは、少しずつ変わってきたかもしれません。

f:id:y141:20161223153854j:plain

とはいえ、代表クラスの選手たちのプレーや献身性は素晴らしく、改めてチームとしての層の厚みも感じた次第です。INAC連覇への機運も高まってきたように感じました。

f:id:y141:20161223152847j:plain

以上です。2試合とも非常に熱い試合を繰り広げられました。日本の女子サッカーで起こっている今を感じることはもちろん、来年以降の熱い戦いにも期待がかかる良い観戦になりました。そして、決勝戦はINACの連覇か?新潟の4度目の正直となるのか?楽しみです。

にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村 

観戦休題:2016年の川崎フロンターレのプロモーションに関する考察

本エントリーは「川崎フロンターレ Advent Calendar 2016 - Adventar」の10日目として寄稿するものです。

f:id:y141:20161123162636j:plain

〇 はじめに

川崎フロンターレの2016年シーズンは、天皇杯を残してはおりますが、例年とは違った「濃い」1年になったと思います。リーグ戦のタイトルは逃してはしまいましたが、勝ち点72、チャンピオンシップ進出という結果は、就任5年目を迎えた「風間フロンターレ」が築いた到達点であったと思います。

f:id:y141:20161022140056j:plain

一方、クラブ創設20周年事業をはじめ、高田スマイルフェス、「宇宙強大」といった大型プロモーションがいくつも実施されるなど、鬼才・天野部長を擁する「天野フロンターレ」のピッチ外の盛り上がりとしても、非常に充実した1年であったと思います。本稿では、2016年の川崎フロンターレのプロモーションについて書いていきたいと思います。

 

1.前提:2016年の等々力陸上競技場の入場者数について

f:id:y141:20160724124223j:plain

川崎フロンターレでは、今季の明治安田生命J1リーグのホームゲームを17試合(11月23日開催された明治安田生命チャンピオンシップは除く)開催し、総入場者数は「376,305人」、平均入場者数は「22,136人」の方がスタジアムに足を運んでいただきました。この数字は、昨季よりも約2万人近くの観客増となり、昨年記録したクラブ史上最高の入場者数を更新したことになります。

f:id:y141:20161210090005j:plain

また、新メインスタンドの稼働開始で収容人数も大きく増やし、スタジアムの収容人数に対する集客率も高水準をキープしており、平均集客率で見ても仮設スタンドで運用していた2014年と同水準の「82.5%」を記録しました。正直、過去の記録を鑑みても、メインスタンド稼働前は「3年以内に平均観客動員2万人」というラインを目標にしていただけに予想を大きく上回る数字でした。 

 

2.考察:観客増の要因について

f:id:y141:20161022170602j:plain

今季の観客増の最大の要因は、チーム成績によるものが大きいと考えています。序盤戦から上位・優勝争いを繰り広げ、注目度の高い試合も多く設定されたことはサポーターが足を運ぶためのポジティブな側面を引き出したことは言うまでもありません。

f:id:y141:20161210084119j:plain

特に、今季においては、ホームゲームに限らず、多くのビジターゲームでもビジター席が完売になるほど、多くのサポーターが各地に足を運ばれていたことからも、チーム成績が観客動員に与える影響というのを強く感じました。

ここ数年は、成績上のシチュエーションを動員に生かす機会が少なかったことを踏まえると、好成績が観客動員に寄与し、一体感のある満員のスタジアムの中で結果を残すといったサイクルを形成できた点は非常に良かったです。

f:id:y141:20160625184126j:plain

また、従来から実施されてきスタジアムイベントについても、コラボを交えた発信力の強化を図るだけでなく、より多くの人をスタジアムに引き寄せる機会を設けてきたと考えております。例えば、3度目の開催となった「カブの日」では、フロンパークにリングを設置して、川崎を拠点に活動されているディアナ、プロレスリングHEAT-UP!の提供試合を実施することで、プロレスファンの方が集まりましたし、毎年大好評の東急グループさんとのコラボ企画である「川崎の車窓から」では、ファミリー層を中心に大盛況となりました。

f:id:y141:20161022140122j:plain

また、普段より足しげくスタジアムに足を運ぶサポ層にも好評だった、協定を結んだ陸前高田市との間で実現している「陸前高田ランド」もレギュラー企画として定着しつつあり、陸前高田市の美味しいモノや名産品を通じて復興支援、地域を超えた交流の場に発展してする可能性を大いに感じさせる充実度だったと思います。

算数ドリルからはじまった陸前高田市との交流は、陸前高田ランドの進化、高田スマイルフェスの開催を通じて大きく前進させることができたと思いますので、その歩みを止めることなく継続していて欲しいと思いました。

 

3.浸透:「川崎スタイル」の定着

f:id:y141:20160624214109j:plain

今季については、好成績や異業種交流に近い取組が増えてきたこともあって、川崎の取組を取り上げられる機会も増えてきました。さらに、地域においては、フロンターレが志向してきたプロモーションのスタイルが浸透したことで、ある種の「スタイル」として定着してきたと思います。

f:id:y141:20161031211206j:plain

例えば、先述のプロレスリングHEAT-UP!は、今年10月に1000人以上の観客を集め、とどろきアリーナで21年ぶりとなるプロレス興行を開催しました。この大会では、以前から取り組んできた、障がい者支援(就労体験)や、青少年育成などの社会貢献の取組に加えて、「川崎総力戦」を合言葉に、地域密着型の取組とともに団体の知名度と地域のイメージアップを図ってきました。

f:id:y141:20161031212456j:plain

業界屈指の実力者・鈴木みのるを相手に、団体を率いる田村和宏が果敢に挑んだメインイベントは、無謀という言葉を希望に変えようとする意志を強く感じさせる試合でした。

f:id:y141:20161014174337j:plain

また、今季はフロンターレのコラボも実現した、川崎のご当地アイドル・川崎純情小町☆さんも、川崎クラブチッタでのワンマンライブを開催し、目標としていた500人以上の観客を集めることに成功しました。

f:id:y141:20160504112356j:plain

彼女たちも、地域で開催されるイベントを盛り上げるために日々を活動続けながら、今回のワンマンに向けて、フロンターレをはじめ、様々な地域とのリソースを活かしたコラボを実現させることにより発信力を強化していきました。

f:id:y141:20160930204639j:plain

そして、今年誕生したBリーグに所属する川崎ブレイブサンダースは、フロンターレに続くプロスポーツチームとして、Bリーグ初代王者と地域への浸透を目指して、コート内外で奮闘しております。

f:id:y141:20161022192810j:plain

ライバルであり、川崎を盛り上げる新たな仲間として、フロンターレとの関係性を強化できればと思いました。

 

4.発展:スポーツで街が1つになった瞬間

f:id:y141:20161119172402j:plain

今季の取組で、筆者自身が一番印象に残ったのは、明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ前に展開された「いざ、決戦!」プロモーションです。

現在の大会方式は今年で終わりますが、(制度上の健全性はともかく)「チャンピオンシップ」という舞台装置を最大限に活用して盛り上げることができたと思いますし、何よりも長年サポを続けて夢に描いてきた「サッカーを通じた地域との一体感」を感じることができたからです。スタジアム内、その周辺だけでなく、川崎という地域全体が青く染まった光景は、時間が経過してもなお私の胸に深く刻み込まれました。

 

〇 おわりに

f:id:y141:20161123121007j:plain

チャンピオンシップを控えた週末の川崎で見た風景は、夢のような空間、夢なら醒めないでほしいと強く願ったほどです。それだけに、準決勝で敗退したことに対する落ち込み度も半端なかったのです。しかしながら、多くの人たちの期待や思いが詰まった取組はクラブが積み上げてきた20年の歴史の到達点であり、クラブと地域の関係性が新たなステージに突入したことを印象付けるものであったと思います。

ピッチ上のサッカースタイル、地域における浸透度において大きな成果を挙げることが出来ただけに、やはり残された課題は結果ではないかと思います。幸いにも、その機会は残されています。

 

 Re:「いざ、決戦!」

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございまいた。

11日目は@recycle_tomさんによる「これまでの10年、これからの10年」です。お楽しみに!

にほんブログ村 サッカーブログ 川崎フロンターレへ
にほんブログ村

観戦記:Bリーグ・川崎ブレイブサンダース-レバンガ北海道

f:id:y141:20161202201958j:plain

昨日は、とどろきアリーナで川崎ブレイブサンダースのホームゲームを観戦。

約1か月ぶりに開催された等々力での試合は、前半1点ビハインドで折り返した川崎が見事に逆転勝利を収めました。仕事の都合で後半からの観戦となりましたが、試合を通じて感じたことは以下の通りです。 

 1.ハマらない試合を勝ち切るために

f:id:y141:20161202202152j:plain

川崎は、第2Qに1度逆転を許して前半ビハインドで折り返したものの、1点差ということもありましたので、第3Qの入り方が非常に重要であると感じていました。この場面で、川崎は7番・篠山選手の連続ポイントで逆転し、最初の約1分間で5点のリードを奪うことに成功しました。

試合速報 - 川崎ブレイブサンダース

ただし、その後はゴール下のエリアまでは上手く入れているものの、シュート・フリースローを決められず、試合全般を通じて我慢の展開が続いたと思います。しかしながら、上記の連続ポイントの場面に代表されるように、局面のインテンシティは非常に高かったと思います。攻撃がハマらない場面でも、切り替えた後の守備の部分では集中を切らさず、ディフェンスリバウンドに競り勝ち、再度攻撃に転じていったように、焦れることなく丁寧に試合を運んでいったことが良かったと思います。

f:id:y141:20161202205538j:plain

(試合後にインタビューを受ける長谷川選手)

また、この日のMOMにも選ばれた長谷川選手の活躍が光ったように、主軸の選手が思うような活躍が出来なかったときに、他の選手たちがその分を補えるのかは大事だと思います。特に、バスケは局面に応じて選手を入れ替える競技でありますので、試合の流れを変えるだけでなくコントロールしていくことも含めて、チーム全体で戦うことが求められると思います。その意味では、この日はチーム全体で乗り切った勝利と言えると思います。

試合日のチームコンディション、瞬間的な勢いだけではなく、我慢の展開を乗り切る胆力やチーム力を駆使して勝ち切るという手堅さこそ、現在の連勝を下支えしているのだと感じさせました。

 

 2.日々進化を続ける試合運営

f:id:y141:20161202195914j:plain

(段差が設置されて見やすくなったコートエンド側の自由席)

度々取り上げてきた試合運営については、試行錯誤を続けながらも日々進化していると思います。例えば、自分自身も観戦経験があるコートエンド自由席は、従前は椅子を並べていただけなので、近場のプレーが見づらいと感じる経験があったのですが、この日から段差を設けられたことで、視界がよりクリアになったと思います*1。コートからの距離の近い1階席の売行きは好調でありますので、環境改善は満足度を高めるだけでなく購買意欲を高める効果を与えると思いますので、私も「あの位置で見たい」と思いました。

f:id:y141:20161202205826j:plain

(勝利後のセレモニーも定着。小さな積み重ねが大きな満足の源泉になると思います)

また、ファンサービスの観点から、試合後のMOM選手との記念撮影が出来るコーナーを設けるといったプログラムを追加するなど、試合の中に参加していく機会を増やして満足度を高める取組を進めているのは好印象でした。自分自身、様々な現場でスポーツを見ておりますが、やはり小さな取組の積み重ねが満足度向上には大切だと思います。

今後の改善点とすれば、繰り返し述べておりますが、2階席の動員アップだと思います。例えば、金曜日ならば仕事終わりに駆け付ける方も少なくはないので、以前も本ブログで書きましたが、アクティブサラリーマン層をターゲットにした団体観戦チケット・プランを設けても良いかもしれません。

また、川崎市内の学校でバスケをプレーしている学生や、ミニバスをしているお子さんなど、実際にバスケに触れている層に訴えかける取組も有効だと思いますので、その点を行政などと連携して働きかけるのも良いと思います。いずれにしても、良い試合を続けているだけに、より多くの人に見てもらいたいと思います。

以上です。交流戦が始まり、今月から所属する中地区以外のチームとの対戦が続きます。バスケ人気の高い地域のチーム、初代王者を目指すライバルチームとの対戦は見ている側にも新たな刺激を与えてくれると思います。川崎が誇る「赤い稲妻」の活躍を引き続き応援できればと思います。

f:id:y141:20161202205149j:plain

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村