ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:皇后杯 第38回全日本女子サッカー選手権大会 準決勝

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昨日は、西が丘で皇后杯の準決勝を観戦。今年の準決勝は、今季2冠の日テレベレーザ、昨年の同大会で澤さんの劇的ゴールで優勝したINAC神戸レオネッサ、準優勝・アルビレックス新潟レディース、最近4大会で3回のベスト4進出となるベガルタ仙台レディースの4チームが駒を進めました(何気に昨年と同じ4チーム)。

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第1試合の日テレと新潟Lの対戦は、前半のベレーザの決定機を凌いだ新潟Lが後半早々に八坂選手のゴールで先制。追いかける展開となったベレーザは阪口選手を最前線に配置してゴールを狙いましたが、最後までネットを揺らせず。

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相手の決定機は作られる場面は少なくありませんでしたが、前線からプレッシャーをかけていく新潟の積極的なアプローチが実を結んだかたちになったと思います。

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特に、終盤のベレーザの攻勢に対してもベタ引きするのではなく、コンパクトな陣形を出来る限り維持して対応したのが良かったと思います。

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一方、ベレーザは、ポストプレー等の「高さ」の部分で最後まで新潟と競り勝てなかったため、割りきったロングボールが有効に生かせなかったように見えました。この点は、フィジカルも含めた強さ・高さは、ベレーザの数少ない課題ではあります。今後もその点を技術、運動量等で補うのがベレーザらしいかなと思いますが、今後のなでしこリーグを見ていくうえでも注視できればと思います。

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新潟は2年連続4度目の決勝進出。奇数年のジンクスを何気に打ち破りましたね。

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第2試合のINAC神戸と仙台の試合も激闘になりました。前半はGKの判断ミスを突いてINACが先制するものの、後半は仙台が猛攻でゴールに迫る展開。

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西が丘に駆け付けた仙台サポーターの熱い声援が後押しし、川村選手のゴールで同点!

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延長戦に突入した試合は、前・後半にINACが1点ずつを加点して勝利。二連覇に王手をかけました。この辺の強さには、流石といったところでした。

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仙台は設立5年ながら、上述のとおり、本大会3度目のベスト4進出と実績を残してきました。さらに言えば、メンバー等も変わりながらも、あと一歩のところまで追いつめるまでにチームとしての力を付けてきたと思います。なでしこJAPANに選出された佐々木繭選手のように力のある選手がクラブの中で育ち、名をとどろかせることを踏まえると、徐々に女子サッカー界の底上げが進んでいる印象は感じています。

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そんな仙台の勢いを止めて、激闘を制したINACも素晴らしかった。特に、道上・増矢・京川といった若い選手たちが良い仕事をしていたこと、さらに杉田選手のように新しい世代の選手たちも続いており、少し前に感じていたINAC=代表選手のような雰囲気からは、少しずつ変わってきたかもしれません。

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とはいえ、代表クラスの選手たちのプレーや献身性は素晴らしく、改めてチームとしての層の厚みも感じた次第です。INAC連覇への機運も高まってきたように感じました。

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以上です。2試合とも非常に熱い試合を繰り広げられました。日本の女子サッカーで起こっている今を感じることはもちろん、来年以降の熱い戦いにも期待がかかる良い観戦になりました。そして、決勝戦はINACの連覇か?新潟の4度目の正直となるのか?楽しみです。

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観戦休題:2016年の川崎フロンターレのプロモーションに関する考察

本エントリーは「川崎フロンターレ Advent Calendar 2016 - Adventar」の10日目として寄稿するものです。

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〇 はじめに

川崎フロンターレの2016年シーズンは、天皇杯を残してはおりますが、例年とは違った「濃い」1年になったと思います。リーグ戦のタイトルは逃してはしまいましたが、勝ち点72、チャンピオンシップ進出という結果は、就任5年目を迎えた「風間フロンターレ」が築いた到達点であったと思います。

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一方、クラブ創設20周年事業をはじめ、高田スマイルフェス、「宇宙強大」といった大型プロモーションがいくつも実施されるなど、鬼才・天野部長を擁する「天野フロンターレ」のピッチ外の盛り上がりとしても、非常に充実した1年であったと思います。本稿では、2016年の川崎フロンターレのプロモーションについて書いていきたいと思います。

 

1.前提:2016年の等々力陸上競技場の入場者数について

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川崎フロンターレでは、今季の明治安田生命J1リーグのホームゲームを17試合(11月23日開催された明治安田生命チャンピオンシップは除く)開催し、総入場者数は「376,305人」、平均入場者数は「22,136人」の方がスタジアムに足を運んでいただきました。この数字は、昨季よりも約2万人近くの観客増となり、昨年記録したクラブ史上最高の入場者数を更新したことになります。

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また、新メインスタンドの稼働開始で収容人数も大きく増やし、スタジアムの収容人数に対する集客率も高水準をキープしており、平均集客率で見ても仮設スタンドで運用していた2014年と同水準の「82.5%」を記録しました。正直、過去の記録を鑑みても、メインスタンド稼働前は「3年以内に平均観客動員2万人」というラインを目標にしていただけに予想を大きく上回る数字でした。 

 

2.考察:観客増の要因について

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今季の観客増の最大の要因は、チーム成績によるものが大きいと考えています。序盤戦から上位・優勝争いを繰り広げ、注目度の高い試合も多く設定されたことはサポーターが足を運ぶためのポジティブな側面を引き出したことは言うまでもありません。

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特に、今季においては、ホームゲームに限らず、多くのビジターゲームでもビジター席が完売になるほど、多くのサポーターが各地に足を運ばれていたことからも、チーム成績が観客動員に与える影響というのを強く感じました。

ここ数年は、成績上のシチュエーションを動員に生かす機会が少なかったことを踏まえると、好成績が観客動員に寄与し、一体感のある満員のスタジアムの中で結果を残すといったサイクルを形成できた点は非常に良かったです。

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また、従来から実施されてきスタジアムイベントについても、コラボを交えた発信力の強化を図るだけでなく、より多くの人をスタジアムに引き寄せる機会を設けてきたと考えております。例えば、3度目の開催となった「カブの日」では、フロンパークにリングを設置して、川崎を拠点に活動されているディアナ、プロレスリングHEAT-UP!の提供試合を実施することで、プロレスファンの方が集まりましたし、毎年大好評の東急グループさんとのコラボ企画である「川崎の車窓から」では、ファミリー層を中心に大盛況となりました。

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また、普段より足しげくスタジアムに足を運ぶサポ層にも好評だった、協定を結んだ陸前高田市との間で実現している「陸前高田ランド」もレギュラー企画として定着しつつあり、陸前高田市の美味しいモノや名産品を通じて復興支援、地域を超えた交流の場に発展してする可能性を大いに感じさせる充実度だったと思います。

算数ドリルからはじまった陸前高田市との交流は、陸前高田ランドの進化、高田スマイルフェスの開催を通じて大きく前進させることができたと思いますので、その歩みを止めることなく継続していて欲しいと思いました。

 

3.浸透:「川崎スタイル」の定着

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今季については、好成績や異業種交流に近い取組が増えてきたこともあって、川崎の取組を取り上げられる機会も増えてきました。さらに、地域においては、フロンターレが志向してきたプロモーションのスタイルが浸透したことで、ある種の「スタイル」として定着してきたと思います。

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例えば、先述のプロレスリングHEAT-UP!は、今年10月に1000人以上の観客を集め、とどろきアリーナで21年ぶりとなるプロレス興行を開催しました。この大会では、以前から取り組んできた、障がい者支援(就労体験)や、青少年育成などの社会貢献の取組に加えて、「川崎総力戦」を合言葉に、地域密着型の取組とともに団体の知名度と地域のイメージアップを図ってきました。

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業界屈指の実力者・鈴木みのるを相手に、団体を率いる田村和宏が果敢に挑んだメインイベントは、無謀という言葉を希望に変えようとする意志を強く感じさせる試合でした。

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また、今季はフロンターレのコラボも実現した、川崎のご当地アイドル・川崎純情小町☆さんも、川崎クラブチッタでのワンマンライブを開催し、目標としていた500人以上の観客を集めることに成功しました。

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彼女たちも、地域で開催されるイベントを盛り上げるために日々を活動続けながら、今回のワンマンに向けて、フロンターレをはじめ、様々な地域とのリソースを活かしたコラボを実現させることにより発信力を強化していきました。

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そして、今年誕生したBリーグに所属する川崎ブレイブサンダースは、フロンターレに続くプロスポーツチームとして、Bリーグ初代王者と地域への浸透を目指して、コート内外で奮闘しております。

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ライバルであり、川崎を盛り上げる新たな仲間として、フロンターレとの関係性を強化できればと思いました。

 

4.発展:スポーツで街が1つになった瞬間

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今季の取組で、筆者自身が一番印象に残ったのは、明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ前に展開された「いざ、決戦!」プロモーションです。

現在の大会方式は今年で終わりますが、(制度上の健全性はともかく)「チャンピオンシップ」という舞台装置を最大限に活用して盛り上げることができたと思いますし、何よりも長年サポを続けて夢に描いてきた「サッカーを通じた地域との一体感」を感じることができたからです。スタジアム内、その周辺だけでなく、川崎という地域全体が青く染まった光景は、時間が経過してもなお私の胸に深く刻み込まれました。

 

〇 おわりに

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チャンピオンシップを控えた週末の川崎で見た風景は、夢のような空間、夢なら醒めないでほしいと強く願ったほどです。それだけに、準決勝で敗退したことに対する落ち込み度も半端なかったのです。しかしながら、多くの人たちの期待や思いが詰まった取組はクラブが積み上げてきた20年の歴史の到達点であり、クラブと地域の関係性が新たなステージに突入したことを印象付けるものであったと思います。

ピッチ上のサッカースタイル、地域における浸透度において大きな成果を挙げることが出来ただけに、やはり残された課題は結果ではないかと思います。幸いにも、その機会は残されています。

 

 Re:「いざ、決戦!」

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございまいた。

11日目は@recycle_tomさんによる「これまでの10年、これからの10年」です。お楽しみに!

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観戦記:Bリーグ・川崎ブレイブサンダース-レバンガ北海道

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昨日は、とどろきアリーナで川崎ブレイブサンダースのホームゲームを観戦。

約1か月ぶりに開催された等々力での試合は、前半1点ビハインドで折り返した川崎が見事に逆転勝利を収めました。仕事の都合で後半からの観戦となりましたが、試合を通じて感じたことは以下の通りです。 

 1.ハマらない試合を勝ち切るために

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川崎は、第2Qに1度逆転を許して前半ビハインドで折り返したものの、1点差ということもありましたので、第3Qの入り方が非常に重要であると感じていました。この場面で、川崎は7番・篠山選手の連続ポイントで逆転し、最初の約1分間で5点のリードを奪うことに成功しました。

試合速報 - 川崎ブレイブサンダース

ただし、その後はゴール下のエリアまでは上手く入れているものの、シュート・フリースローを決められず、試合全般を通じて我慢の展開が続いたと思います。しかしながら、上記の連続ポイントの場面に代表されるように、局面のインテンシティは非常に高かったと思います。攻撃がハマらない場面でも、切り替えた後の守備の部分では集中を切らさず、ディフェンスリバウンドに競り勝ち、再度攻撃に転じていったように、焦れることなく丁寧に試合を運んでいったことが良かったと思います。

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(試合後にインタビューを受ける長谷川選手)

また、この日のMOMにも選ばれた長谷川選手の活躍が光ったように、主軸の選手が思うような活躍が出来なかったときに、他の選手たちがその分を補えるのかは大事だと思います。特に、バスケは局面に応じて選手を入れ替える競技でありますので、試合の流れを変えるだけでなくコントロールしていくことも含めて、チーム全体で戦うことが求められると思います。その意味では、この日はチーム全体で乗り切った勝利と言えると思います。

試合日のチームコンディション、瞬間的な勢いだけではなく、我慢の展開を乗り切る胆力やチーム力を駆使して勝ち切るという手堅さこそ、現在の連勝を下支えしているのだと感じさせました。

 

 2.日々進化を続ける試合運営

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(段差が設置されて見やすくなったコートエンド側の自由席)

度々取り上げてきた試合運営については、試行錯誤を続けながらも日々進化していると思います。例えば、自分自身も観戦経験があるコートエンド自由席は、従前は椅子を並べていただけなので、近場のプレーが見づらいと感じる経験があったのですが、この日から段差を設けられたことで、視界がよりクリアになったと思います*1。コートからの距離の近い1階席の売行きは好調でありますので、環境改善は満足度を高めるだけでなく購買意欲を高める効果を与えると思いますので、私も「あの位置で見たい」と思いました。

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(勝利後のセレモニーも定着。小さな積み重ねが大きな満足の源泉になると思います)

また、ファンサービスの観点から、試合後のMOM選手との記念撮影が出来るコーナーを設けるといったプログラムを追加するなど、試合の中に参加していく機会を増やして満足度を高める取組を進めているのは好印象でした。自分自身、様々な現場でスポーツを見ておりますが、やはり小さな取組の積み重ねが満足度向上には大切だと思います。

今後の改善点とすれば、繰り返し述べておりますが、2階席の動員アップだと思います。例えば、金曜日ならば仕事終わりに駆け付ける方も少なくはないので、以前も本ブログで書きましたが、アクティブサラリーマン層をターゲットにした団体観戦チケット・プランを設けても良いかもしれません。

また、川崎市内の学校でバスケをプレーしている学生や、ミニバスをしているお子さんなど、実際にバスケに触れている層に訴えかける取組も有効だと思いますので、その点を行政などと連携して働きかけるのも良いと思います。いずれにしても、良い試合を続けているだけに、より多くの人に見てもらいたいと思います。

以上です。交流戦が始まり、今月から所属する中地区以外のチームとの対戦が続きます。バスケ人気の高い地域のチーム、初代王者を目指すライバルチームとの対戦は見ている側にも新たな刺激を与えてくれると思います。川崎が誇る「赤い稲妻」の活躍を引き続き応援できればと思います。

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観戦休題:次男坊は君だ!川崎スポーツ新時代の幕開け

本エントリーは「川崎ブレイブサンダース Advent Calendar 2016 - Adventar」の2日目として寄稿するものです。

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(9月30日。ホーム開幕戦・横浜との試合前に挨拶を行う福田紀彦川崎市長)

 

1.はじめに

本年9月に開幕した男子プロバスケットリーグ・Bリーグ。9月29日に代々木第一体育館で開催された開幕戦は、日本のバスケファンに限らず、多くのスポーツファン・関係者に大きなインパクトを与えたと思います。

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開幕戦の熱気が日本各地に波及される中、私の地元・川崎でも「川崎ブレイブサンダース」が誕生し、1部リーグ・B1に参戦することとなりました。本稿では、川崎ブレイブサンダース誕生したことの意義について、川崎とプロスポーツという観点から考えていきたいと思います。

2.「プロスポーツ不毛の地」からの巻き返し

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(チャンピオンシップ前には川崎市全体を巻き込んだプロモーションが展開された)

プロスポーツ不毛の地」と言われ続けた川崎ですが、地域密着を強く推し進めてきたJリーグ川崎フロンターレが行政との協力体制を構築し、地元のプロスポーツクラブを応援する土壌が育ててきました。特に、クラブ創設20周年を迎えた今季は、明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ準決勝で敗退したものの、街を挙げたプロモーションは地域の一体感を作り出すことが出来たことは大きな成果であったと思います。

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(毎年開催されている「川崎国際多摩川マラソン」は多くのランナーが参加している)

川崎市としても、阿部前市長の時代から「スポーツのまち・かわさき」を掲げており、地域にあるスポーツを支援する動きを見せており、地域を拠点とするスポーツチームを「かわさきスポーツパートナー」*1を認定し、スポーツイベント等に参画をしてきました。

また、近年では、平成23年に成立した「スポーツ基本法*2の規定に基づき「川崎市スポーツ推進計画」を策定し、「川崎でスポーツを、スポーツで川崎を、もっと楽しく」を基本理念として、スポーツを通じて健康で明るく活き活きとした生活を送ることができるまちづくりを推進していく方針を打ち出しております。

この他、ハード面においても、日本プロ野球の歴史に残る伝説の試合「10・19」の舞台でもあった川崎球場が「富士通スタジアム川崎」として生まれ変わり、アメリカンフットボールをはじめとするスポーツ競技の会場として利用されたほか、川崎フロンターレの本拠地である等々力陸上競技場も利用者目線に立ったメインスタンド改修を実施しており、今後も野球場や陸上競技場(バックスタンド改修)といった計画が予定されています。

3.川崎ブレイブサンダース誕生とサポーターの広域化

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(篠山選手・ファジーカス選手をはじめ、実力者が揃う川崎はBリーグ初代王者を目指す)

こうした取組を続けてきた川崎市にとって、新たに誕生したBリーグと川崎ブレイブサンダースの存在は大きな起爆剤になると考えております。多くの観客を集め、競技の魅力を地域に強く発信し、普及を図る意味でもプロスポーツチームの影響力は絶大だと思います。

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また、個人的な意見ですが、Jリーグがオフシーズンに入る12月以降も継続してBリーグの試合が開催されることから、切れ目なく地元・川崎のチームを応援していく取組を今以上に推進できるようになると考えています。理想でいえば、競技を問わずに地元のチームを応援する広域的な「川崎サポーター」を形成し、川崎のスポーツ全体の活性化に繋がれば良いかなと思います。

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(本年10月、フロンターレとブレイブサンダースのコラボが早くも実現した)

今年10月に開催されたフロンターレとブレイブサンダースのダブルヘッダーは、サポーターの広域化に向けた第1歩になったのではないかと。今後も機会があれば、是非とも取組を継続してほしいところです。

4.さいごに

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川崎におけるプロスポーツの歴史は、家出を繰り返した20世紀の厳しい現実を乗り越え、長男坊・フロンターレが家を建て直したことで、絶望を希望に変えてくれました。そこから一歩踏み出して、街に賑わいをもたらすことが出来るのか。川崎ブレイブサンダース、川崎の次男坊は君だ!

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明日は、ysmaster007(ysmaster007@リハビリへ~ (@ysmaster007) | Twitter )さんによるの「川崎ブレイブサンダースの歴史(創世記~1994年)」です。お楽しみに!

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観戦記:チャンピオンシップ・川崎フロンターレ‐鹿島アントラーズ

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昨日は、明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ準決勝を観戦。

年間2位・川崎と1stステージ王者・鹿島の対戦は、0-1で鹿島が勝利。今回の試合を通じて感じたことは、以下のとおりです。

 

1.スタイルの激突

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虎の子の先制点を奪い、水を漏らさぬ集中した守備で勝ち切る。川崎は、鹿島さんの「定石」を打ち破ることが出来ませんでした。

鹿島アントラーズが日本で最も多くのタイトルを獲得してきた理由は、クラブに「スピリッツ」と「スタイル」が宿っているからだと常々考えています。個人的な考えですが、鹿島さんの勝利は、勝者のメンタリティー、あるいは勝負強さのような1試合単位で図れるものではなく、歴史とともに積み重ねてきた土台の上にある、立ち返るべきスタイルをピッチ上で表現できたからだと感じました。

一方、数年ぶりに優勝争いを繰り広げ、この舞台にたどり着いた川崎フロンターレも、時間をかけて自分たちの「スタイル」を磨いてきました。1からの積み上げ、世代交代を含めたメンバーの入れ替わりもあり、5年近くの時間を要しましたが、今季はスタイルの成熟を感じさせる戦い方だったと思います。特に、セカンドステージでは、様々な要因で選手起用に苦慮しましたが、成績的に大崩れすることなく勝ち点を積み上げることが出来たことは、チームが追及するスタイルがあったからだと考えております。

だからこそ、この日の川崎に足りなかったことは、積み上げてきたモノをピッチ上で色濃く表現できなかったことに尽きます。守備の粘り強さ、若手選手の頑張りといった部分で何とか対抗できたものの、フィニッシュの精度、相手の激しいプレッシャーの中での判断といった部分では鹿島の「型」を崩すためには物足りなかったと思います。

2.ビューティフル・ドリーマー

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肝心の試合に敗れてしたものの、この日に至るまでに見られた川崎市内、あるいはクラブが友好協定を結んだ陸前高田市での盛り上がりは大変素晴らしいモノでした。

クラブを応援するファン・サポーターの範疇を超えて、街全体が水色に染まっていく過程を目にして、静かな感動を覚えていました。「スポーツで街を元気にする」、Jリーグの理念や天野春果氏が常々語っていたものが鮮やかに映し出された風景でした。

今回の盛り上がりは、通常のリーグ戦ではなく、チャンピオンシップという大会方式を最大限に生かしたアプローチであると思います。1人のサッカーファンとして、年間王者の決定方式としての違和感は大いにありますが、使えるものは最大限に利用して効果を引き出す意味では1つの答えを導き出したと思います。

ある種の祭りに向かって邁進する地域に一体感が生まれる中、慌ただしくも充実した時間を過ごしながら、変な話ですが「このまま試合の日にならないで欲しい」という思いも芽生えるようになりました。

少々強引な発想かもしれませんが、映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』において、終わりなき文化祭前夜を願っていたラムちゃんの感覚に近いものだったかもしれません。

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試合に敗れた瞬間、敗戦のショックと同時に、夢の世界から目覚め、現実の世界に引き戻される感覚に寂しさを覚えました。今年でクラブを去る風間さんや嘉人さん、天野さんや高尾さんたちと、もう少し同じ夢を見たかった、コレが今の素直な気持ちです。

「11月23日」。13年前の同じ日、私は超満員の等々力に駆け付け、大きな喪失感を味わいました。正直、降格を経験した時以上に心が折れた瞬間でした。

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ただし、同じように等々力に自分が立っていたことも事実です。この時はもちろん、快晴の国立競技場、雨の日立台で幾度となく経験してきた挫折から復活したように、12月24日の味スタに戻っていけるように心の準備を始めていきたいと思います。

それでも、私は川崎フロンターレが好きだから。

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観戦記:「川崎純情Night☆番外編~川崎純情小町☆×8princess 2マンLIVE~」

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昨日は、川崎セルビアンナイトで開催された川崎純情小町☆さんの主催ライブ「川崎純情Night☆」に足を運びました。10月14日のワンマンライブ開催後、初の主催ライブとなりましたが、非常に熱い公演になったと思います。ライブを通じて印象に残ったことは以下の3点です。

 1.2マンライブ形式のメリット

ワンマンライブまでのカウントダウン形式で開催されていた「川崎純情Night☆」は、4~5組程度のアイドルさんをお招きしておりましたが、今回は「番外編」という位置づけもあり、八王子のご当地アイドル・8princessさんとの対バン形式の開催になりました。

本形式のメリットとして考えられるのは、ステージ時間が40分以上確保できますので通常の対バンライブに比較して長くステージを見ることができますし、物販等も含めたタイムテーブルも余裕が生まれる点も運営上にプラスにはなったのではないかと。

また、コラボに関しても、今回は部分的にではありましたが、より濃い内容が作れるのではないかと考えております。コラボの内容が充実してくれば、結果的に「今回の公演でしか見ることができない」希少性を生み出すと思いますし、中長期的な観点で見ればアイドルさん(ファンを含めた)同士の横展開にも繋がると思います。

例えば、LinQさん、ひめキュンフルーツ缶さんの「Linキュン同盟」ではありませんが、ライブを通じて密接な関係性を構築していくことは、アイドルライブの参加機会を増やすことはもちろん、多くのアイドルファンに発信するチャネルにもなると思いますので、願わくば本形式での主催を今後も継続してもらいたいなと感じました。

 2.八王子のご当地アイドル・8princess

今回の対バン相手である8princess(エイトプリンセス。以下「はちぷり」)さんのステージを初めて拝見しましたが、大変素晴らしかったです。

個人的な見方ではありますが、ライブを主体とするアイドルさんの場合、「どれだけ湧かせられるか」が戦闘力を図る指標として考えています。この点でいえば、アップテンポなナンバーを中心に披露していただきましたが、楽曲のアプローチが多種多様でしたので、初見の人間としては刺激的な内容でした。前知識のない人に、名前や曲を覚えてもらうために必要なインパクトポイントも説得力充分でした。

個人的に「忍者の曲」と一発で覚えた「忍者プリンセス」、あとはパラパラを振付に取り入れた「無制限GIMMICK」が良かったです。忍者には目が無い?筆者としては、忍者のCDを買えなかったので是非とも次回の機会には手に入れたいと思います。

 3.ワンマン達成が残した「財産」

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(ワンマンで積み上げた財産を土台に、さらなる高みへ。写真は10月21日撮影)

はちぷりさんに続いて、小町さんのステージもじっくり見ることが出来ました。

最近のイベントステージを見ていて感じることですが、10月のワンマンまでに取組んできたことが、彼女たちにとって財産になっていると思いました。

例えば、ワンマンに向けて取組んできたパフォーマンスのスキルアップは、イベントステージで披露する楽曲の厚みを生むだけでなく、より多くの人を惹きつけるだけの説得力も高まってきたと思います。

また、ステージ下の観客数も新規のファン(当方を含む)を呼び込み、客層の多様性を生む土壌が出てきたことは、ワンマンに向けて外向きの発信を続けてきた成果だと思います。

ステージ内外の充実度を活かし、3月の新曲CD発売等の展開を交えて、今後のさらなる発展に生かしていきたいところです。

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(「8」のポーズを決める高津区担当・長嶺あずささん。) 

以上です。八王子も川崎も最高でした。

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観戦記:天皇杯・川崎フロンターレ‐浦和レッズ

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昨日は、等々力で天皇杯(4回戦)浦和との試合を観戦。

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明治安田生命2016Jリーグチャンピオンシップ(CS)に進出した両チームの対戦は、川崎が3度のビハインドを追いつき、最後はPK戦を制して勝利。「死闘」を終えて感じたことは、以下の通りです。

 

1.「最善」で「最高」の結果を残す

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怪我人を多く抱えて試合に臨んだ川崎は、ベストメンバーは組めませんでしたが、 “Do my best” (最善を尽くす)の戦いぶりで、浦和に対して一歩も引かない粘り強さを見せてくれました。また、私見ではありますが、今回の出場メンバーならではの武器を駆使したことで戦力差を補えたと思います。

例えば、ガンバ戦に続き、スタメンに名を連ねた三好・長谷川の前線コンビは、ドリブル突破による「縦の推進力」はもちろん、前線から積極的な守備を仕掛けることで西川・槙野両選手が不在の浦和の最終ラインに圧力をかけることができました。

また、板倉選手が先発出場は期待以上の働きぶりを見せてくれました。この日はボランチでの出場になりましたが、序盤は浦和の動きに目が慣れずに苦労したものの、試合が進むごとに攻守に存在感が出てきたと思います。低い位置で受けたボールを前に運ぶこと、前線に正確なパスを出すといった「繋ぎ役」の役割を果たすだけではなく、細身ながら相手の圧力に屈しない強さを見せたことで、浦和の選手たちが奪いにいこうと圧力をかけても簡単には奪われませんでした。

そして、結果論ではありますが、ディフェンダーとして培ってきた空中戦での高さを生かし、得点をアシストとなる活躍を見せました。川崎が高さを生かして得点を奪うこと自体が珍しいと思いますが、森本・エドゥ・板倉の3枚が前線に揃っていたのは大きいと思います。

最善を尽くし、最大限の力を発揮したという意味では、板倉選手の奮闘こそが、この日のチームを象徴していたと思います。

 

2. 守護神召喚が持つ意味

3失点はしましたが、試合中の仕事ぶり、PK戦での活躍を見ても川崎のゴールを守ったソンリョンさんの復帰は大きかったと思います。

正確なシュートストップ、状況判断に加えて、バックパス処理、キックの飛距離などを見ると、怪我からの復調具合はまずまずといったところ。また、試合展開を考えても、彼が後ろに控えているという部分でもチームにプラスに働いたと思います。

そして、このタイミングで試合出場できたことは、23日のCS準決勝にも繋がったのではないかと。鹿島さん相手の一発勝負だけに、難しい試合になること確実なのは言うまでもありません。公式戦での試合経験、PKストップによる自信を得たソンリョンさんの活躍にも改めて期待したいと思います。

 

3. 等々力「デロリアン」が見せた未来のフロンターレ

延長後半のフロンターレの最前線でボールを追いかけていたのは三好、板倉の両選手。川崎ユース出身の両選手については、私も一昨年の昇格決定から大きな期待を寄せていましたが、彼らが活躍するのは少し先の未来と考えていました。

そんな「未来のフロンターレ」が、あの試合のピッチ上にありました。板倉選手は足が攣って座り込む場面が度々ありましたし、三好選手は前半からボールを追いかけて運動量を消費しておりましたので、終盤はかなりキツかったと思います。精神論ではありませんが、必死さ、強い気持ちが彼らの身体を突き動かしていたのではないか、そう思わせるような彼等の試合を見ながら泣きそうになりました(他多数)。

もちろん、この日のピッチ上で見たような風景が、この先の未来に見えるかどうかは誰もわかりません。しかしながら、我々サポーターの胸に深く刻み込まれた風景を見たいという思いは強くなったと思います。その期待に応えようと頑張ってくれることを信じて、彼らの背中を押してあげられるような応援をしていきたいと思いました。

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4回戦を突破してベスト8に進出。まだまだ戦いは続きますし、チャンピオンシップという厳しい戦いも待ち受けています。敗退して無冠に終わる可能性も、勝ち上がって二冠を手にする可能性も残っています。

バック・トゥ・ザ・フューチャー』でデロリアンを作ったエメット・ブラウン博士は、主人公・マーティに「未来は自分で切り開くものなんだよ。だから頑張るんだ」という言葉を残し、旅立っていきました。我々も同じだと思います。未来を切り開くための戦いを進めていきましょう。

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